不動産投資で節税すると失敗する?事例や対策方法まとめ
高所得者ほど収める税金も多くなるので、節税対策として不動産投資を検討する方が少なくありません。また法定相続を受ける場合も、所得金額に応じて課税されるので「不動産を購入して節税したい」と考える方がいるようです。
ただし節税の仕組みを正しく理解していなければ、赤字経営や譲渡所得税によりかえって損失をもたらし失敗してしまうかもしれません。そこで今回は、不動産投資で節税になるケースと失敗事例をもとに注意点を解説します。「節税になるよ」という営業担当者の話を鵜呑みにしたり、表面的な利益に惑わされたりしないように、正しい知識をつけていきましょう。
失敗しないために!不動産投資で節税はできるのか
高収入の方や相続・贈与を受ける予定の方は、節税対策をすべく不動産投資を考えるかもしれません。では実際に、不動産を購入すれば節税に繋がるのでしょうか。
そのような疑問に応えるために、ここでは節税対象となる税金の種類や課税所得を減らす仕組みについて解説します。
不動産投資で節税が可能な税金の種類
不動産投資をすれば、「所得税」「住民税」「相続税」「贈与税」の節税になる可能性があります。1年間の所得に応じて課税されるのが、所得税と住民税です。所得税は今年度の1~12月の所得で計算するのに対して、住民税は前年分に課せられます。
相続等により、受け取る財産の価格に応じて課税されるのが相続税です。また個人から財産を贈与されると、贈与税がかかります。相続税と贈与税はとても似ていますが、被相続人が死亡したことで発生するのが相続で、贈与者と受贈者の合意のもと進められるのが贈与です。
損益通算による節税
1年間の所得に対して課される所得税と住民税ですが、不動産所得がマイナスになると赤字分を給与などの所得から差し引いて計算することが可能です。
つまり課税対象となる所得の一部を相殺できるというわけです。これを「損益通算」と呼び、不動産投資による節税対策に繋がります。
例えば、以下のように計算できます。
給与所得780万円+(不動産投資で-34万円)=総所得金額746万円 |
上記のケースだと総所得746万円に課税されるので、もともとの給与所得のときよりも税率を下げられます。
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経費計上による節税
不動産投資をする上で、経費として計上できる勘定項目が存在します。
- 減価償却費
- 保険料(火災保険・地震保険)
- 管理会社への業務委託費
- 広告宣伝費(入居者募集など)
- 修繕費、修繕積立費
など、ほかにもいくつか計上可能です。
投資家の中には、減価償却費による節税対策を選ぶ方も。年数を重ねるごとにその価値が衰えていく建物に対して「資産購入費-耐用年数に応じて配分した金額」を経費に加えられます。収入よりも経費が多くなると不動産所得はマイナスになり、損益通算によって給与所得を減らすことで節税につながるという仕組みです。
相続や贈与による節税
相続税や贈与税を軽減する方法に、不動産の購入があります。所有している不動産の相続税は、固定資産税評価額や路線価で評価額を決めてその総額に対して課税する仕組みです。
ただし現金や有価証券を相続すると、受け取った金額がそのまま課税対象になります。不動産の評価額は、市場価格より下がる場合もあるので、相続税の課税対象資産額を引き下げることに繋がります。
贈与税も同様に、現金より評価額が低くなる不動産なら、節税対策として有効です。
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節税目的で不動産投資を始める際の注意点
不動産投資で節税するには、損をしないためのシミュレーションするのが重要です。現金の流れ(キャッシュフロー)や売却時の価格に考慮しなければ、節税に失敗してしまうかもしれません。具体的に何に気を付ける必要があるのか、以下で確認してみましょう。
キャッシュフローの悪化を招くことも
資金繰りの実態を正確に把握していなければ、キャッシュフローの悪化を招く場合があります。一見すると高利回りで利益を出しているように見えても、手持ちの資金がゼロやマイナスになることもあるからです。利回りは投資に対する利益率を表しており、すぐに使える現金の量ではありません。
キャッシュフローの計算方法は、以下の通りです。
手残り(キャッシュフロー)=家賃収入-借入金利息-借入金元本-必要経費-税金 |
手元に現金が残らないと、投資を続けられなくなる恐れもあるでしょう。結果的に節税対策どころか損失となる可能性もあるので、注意しなければいけません。
売却による譲渡所得がある
不動産投資の物件を売却するとき、譲渡所得税が発生します。計算方法は、譲渡所得税=課税譲渡所得(譲渡収入額―取得費―譲渡費用)×税率で、購入時の価格より高く売れるとそれだけ譲渡所得税も上がりやすくなる仕組みです。
さらに購入してから5年以内で譲渡すると、短期譲渡にあたり約2倍の税金を課せられる事態に。せっかく減価償却で節税できても、その金額を上回る譲渡所得税を支払うなら結果的に損をしてしまいます。
そのため売却時まで視野に入れて、節税対策するのが大切です。
節税目的による不動産投資の失敗事例
節税対策にも有効な不動産投資ですが、リスクもあります。詳しく調べず安易に手を出してしまうと、失敗してしまうことも。そこで節税目的で不動産投資を始めたものの、上手くいかなかった事例を紹介します。
失敗した事例から学んで、リスクヘッジを図れるようにしましょう。
赤字の蓄積で失敗するケース
「不動産投資の赤字分を損益通算で所得税対策にする」と試みる投資家がいますが、入居率の悪さや家賃滞納などにより赤字を蓄積してしまうと、節税で得られるメリットよりも損失が大きくなってしまうこともあります。
ローン返済に頭を抱えてしまうと、節税どころか本業の収入を圧迫しかねません。入居者を獲得できる不動産経営を目指して、リスク回避をするのが大切です。
物件の価値が大幅に下落するケース
賃貸需要の低下による、物件価値の大幅な下落もリスクの一つです。10年後、20年後と長い目で見ると、購入時の半分以下の価値に下がってしまう物件もあります。
安く売却できれば相続税対策にはなりますが、大幅な下落だと投資額に対する恩恵もわずかになってしまうでしょう。
「節税対策」だけに気を取られず、最終的にどのくらいの利益に繋がるのかでも考えてみてください。
営業担当者のセールストークを鵜呑みにしたケース
節税のメリットだけで不動産投資を始めると、想像していたように経営できず失敗のリスクを高めてしまいます。顧客の利益を優先しないような営業担当者は、不動産投資の良い面だけPRし、リスクについて触れないこともあるのです。
「税金って高くないですか」「副収入を増やせますよ」などの話を聞いていくうちに、だんだん興味を持って良い話だけを鵜呑みにしてしまうと危険。
重要なのは、リスクを知った上で対策を講じることです。
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節税目的による不動産投資の失敗事例
不動産投資による節税対策は、すべての投資家にとって得策とは言えません。結論から言うと、所得の多さによって節税効果の大きさ決まります。
これから節税目的で不動産を購入しようかと検討しているなら、その恩恵を受けられるのか始める前に確認しておきましょう。
不動産投資の節税に向いている人
不動産投資で節税するべきなのは、課税所得が900万円(年収目安1200万円)以上の層です。課税所得が900万円から所得税率が急激に上がります。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
収入が多いと、それだけ多くの所得税や住民税が課せられます。その税率が高いほど、不動産売却時の譲渡税率に対する大きな差を生み出し、高い節税効果が期待できるというわけです。
不動産投資の節税に向いていない人
課税対象となる所得が年間で900万円未満の場合、不動産投資による節税効果を得にくいでしょう。日本では所得の高さに応じて税率を決めているので、そもそも課税率が低ければ節税できる対象も少ないのです。
不動産投資を成功させるための対策方法
「損失を減らしてより多くの利益を得たい」と考える投資家が多いのではないでしょうか。不動産投資を成功させるには、いつまでにいくらの収入を手に入れたいのか目的を整理した上で、入居者を獲得しやすい物件を探すことが大切です。
また丁寧に対応してくれる信頼性の高い会社と連携するのも、成功への近道となるでしょう。具体的にどのような点に着目すべきか、整理してみました。
節税目的だけの投資は避ける
不動産投資は本来、利益を得るための投資です。節税のためだけに始めてしまうと、赤字経営や売却時の譲渡所得税など、思わぬ落とし穴に気付けないかもしれません。特に年間の所得が900万円未満の場合は、高い節税効果を期待すべきではありません。
不動産物件を購入するなら、具体的にどのくらいの利益に繋がるのかしっかりとシミュレーションすることが大切です。
利回りの高さだけで判断しない
基本的に利回りは(年間家賃収入÷物件価格)×100で算出します。もし物件購入額に対して高い家賃を設定し、高利回りになっても安心してはいけません。なぜなら賃貸経営には、入居率が悪い、修理代がかかる、利回りが下がるなどのリスクもあるからです。
つまり高利回りだからといって、確実に収益が入るとは限りません。入居者を獲得できる環境か、運営費にいくらかかるのかなど、利回り以外の面にも着目して計画を立てることが重要です。
賃貸需要のあるエリアを選ぶ
入居者を獲得するために、賃貸需要のあるエリア内で物件を購入しましょう。では、どのようなエリアが好まれるのかを紹介します。
- 最寄り駅から徒歩10分圏内
- 主要ターミナル駅から20分圏内
- スーパーや病院が徒歩圏
- 大手企業が集まるオフィス街に近い
上記の条件を満たしていると、比較的入居率を上げることが可能です。また東京都内や首都圏にアクセスしやすい地域も、人気があります。
気になるエリアの人口動態を調べて、需要の高いエリアか、将来的にも入居者を獲得できそうか確認してみると良いでしょう。
信頼できる不動産投資会社を利用する
不動産投資をするとき成功のカギを握るのは、どの不動産投資会社と連携するかです。信頼のおける会社であれば、投資家の視点に立って目的や金融資産、収入に合ったプランを提案してくれるでしょう。
儲け話だけで強引に契約を迫る担当者には、注意しなければいけません。デメリットを伝えた上で対策を提案してくれる、そんな不動産投資会社こそお客様目線での対応をしていると言えるはずです。
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まとめ
節税対策のみを目的に不動産を購入すると、キャッシュフローの悪化や高い譲渡所得税の発生など結果的に損をしてしまいかねません。特に課税所得900万円未満の層にとっては、節税に関してはメリットよりもデメリットを多くなる可能性も高くなります。
不動産投資を始めるなら、あくまでも資産形成や利益を増やすために、無理のない投資プランを立てるのが重要です。賃貸需要の高いエリアで、信頼のおける不動産投資会社と連携して、リスクを抑えた投資を目指しましょう。