ちゃんと借り手がつくか心配
マンション経営の鍵を握る需要と供給の構造。東京、特に都心部を見た場合、需要が供給を上回っているのが現状です。
しかもこの状況は次にあげる5つの理由から今後も継続するものと考えられています。
進む都心回帰。都心の人口は増え続けています。
地価は2極化が鮮明。
都心では路線価の3倍での取引さえ行われています。
マンション用地に関しては、周辺の公示価格の二割高、三割高で売買されるケースが決して珍しくはありません。かつての渋谷宮下公園通りの東急百貨店の駐車場を例に挙げると、路線価775万円に対し実際の売買価格は坪2,200万円と3倍の値がついたことになります。こうした傾向は決して一時的な現象ではなくこれからも続くと思われます。一方でマンション用地ということでは都心から30キロ圏内を想定しておかなければならず、それ以外の土地の地価は弱含みになるものと思われます。
都区内人口の4人に1人は、賃貸マンションユーザーの単身者。
国勢調査によると東京23区の人口は2020年の段階で973万人です。そのうちシングル・ディンクスで約422万人341万世帯が占めています。なかでも若年労働者の住居となる50m2未満の民間の借家は約144万戸しかないため、シングル・ディンクス用のマンションは人口に対して圧倒的に不足していると言えるでしょう。
SOHO需要の受け皿としても期待が高まるマンション経営。
これまでは単なる「在宅勤務」「職住近接」的な意味合いで捉えられることも多かったのですが、現在では「IT(情報技術)を活用して事業活動を行っている従業員10名以下程度の規模の事業者」と定義づけられています。そのSOHOユーザーの数は約500万事業所と言われています。SOHO向け住宅は圧倒的に不足しており、既に不動産業界も無視できないマーケット となってきているのは間違いありません。
賃貸マンションは今後も圧倒的な供給不足が予想されます。
バブル期のキャピタルゲイン狙いの投資家向け物件からインカムゲイン目的の長期保有型の物件開発に転換されてから、質的にもグレードや防犯面などが格段に向上しています。今後、23区に住むシングル・ディンクス319万世帯に供給していくには、現在の販売戸数を200年間も継続していかなければ間に合いません。その間の建て替えも考慮すると圧倒的な供給不足が予想されます。