働いてお金を得ることで発生する税金。少しでも節税できたら嬉しいという方も多いでしょう。そういったことから、節税ができる「不動産投資」が注目を浴びています。
しかし、節税となるメカニズムが分からず、不動産投資を始めるか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、どうして不動産投資で節税ができるのかの仕組みについてご紹介します。
節税目的で不動産投資を行う方も少なくありません。サラリーマンや自営業者の収入に対して課税される税金を、「不動産所得」によって下げることができるからです。
しかし、節税効果を生むためには、節税のためのメカニズムを十分に理解しなければ失敗する危険性もあるため、事前にしっかりと把握しておくことが必要不可欠となります。
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まず、不動産の所得にはどのような種類があるのかを解説します。種類は以下の3種類となります。 『不動産所得とは、次の(1)から(3)までの所得をいいます。ただし、事業所得又は譲渡所得に該当するものを除きます。
(1) 土地や建物などの不動産の貸付け
(2) 地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
(3) 船舶や航空機の貸付け』
(引用:『国税庁ホームページ』:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm)
節税効果を見込んで投資を行う方であれば、「土地や建物などの不動産の貸付け」による所得が主となるでしょう。この不動産投資で得た所得に「所得税」がかかります。
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不動産投資で得た収入は、計算式によって所得税の割合を決定する値となる「不動産所得」として算出され、その数値の大小によって節税が期待できるかどうかが決まってきます。
不動産所得にかかる所得税を明らかにするには、計算式を用いて算出する必要があります。計算方法は以下のとおりとなります。
期間中の総収入額 - 必要経費 = 不動産所得の金額
不動産所得の金額は期間中の総収入額ではなく、経費を差し引いた値になりますので注意しましょう。算出された不動産所得の金額によって、金額ごとに区分された税率で所得税が明らかになります。
また、サラリーマンなど、不動産収入とは別の収入を得ている場合、給与の課税所得額と不動産所得の金額を合わせて考えます。所得税がそれぞれ別に算出されるのではなく、合計額で割り出されます。
これは、2つの例によって解説することができます。最初のパターンは、不動産所得が黒字になる場合です。サラリーマンとしての給与における課税所得が500万円で、不動産所得の金額が100万円であった場合、合わせて600万円が課税所得となって所得税が算出されます。
もうひとつの例は、不動産所得が赤字となる場合です。給与における課税所得が500万円で、不動産所得が100万円の赤字となった場合、500万円から100万円をマイナスした400万円が課税所得としてみなされることになります。
不動産投資の節税には「確定申告」が必要です。確定申告を理解しておくと、どういう仕組みで節税ができるのかがわかってきます。確定申告というと非常に複雑で難しいものと思われがちですが、重要なポイントを押さえておけば十分理解することは可能です。
不動産投資は青色申告か白色申告か
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の二つが存在します。結論から申しますと、青色申告にした方がより一層節税をすることができます。事業届、所得税の青色申告承認申請書を提出することで青色申告が可能となります。
白色申告は、単式簿記で帳簿付けが簡単であるというメリットはありますが、総収入から必要経費や「控除額」を引いて課税所得を算出する際の控除額が、青色申告よりも少ないというデメリットがあります。
青色申告の場合は、複式簿記といった複雑な帳簿付けが必要にはなりますが、白色申告と比較して控除額が大幅に多くなります。白色申告と共通の基礎控除額にプラスして、最大で65万円という「青色申告特別控除」を受けることが可能です。
節税をするには、経費が最も重要なポイントです。経費が多ければ多いほど総所得が減り、結果的に課税所得も減り所得税が少なくなります。そのために、経費に組み込むことができる項目を知っておくことが重要です。
不動産投資で経費とすることができる項目は、下記のとおりとなります。
①管理費
不動産を管理するための費用です。具体的には、日常清掃や、建物に付随する設備の保守や点検作業費、消防設備の法定点検にかかる費用などが含まれます。
②修繕費
部屋のクリーニングや破損した部分の修繕費用、その他細かいメンテナンス作業で生じた費用です。
③修繕積立金
将来的に建物の経年劣化で修繕が必要となることを見込み、計画的に積み立てておく費用です。
④管理会社への委託料
管理を委託している管理会社に支払う委託料も、経費として計上することが可能です。
⑤ローンの利息
不動産をローンで購入しているのであれば、建物に係るローンの利息分を経費として計上できます。元金の返済分は経費にはなりませんので注意しましょう。
⑥税金
不動産を購入した際の印紙税や不動産取得税、毎年納める固定資産税・都市計画税などが経費となります。
⑦減価償却費
建物や付属設備などの減価償却費です。実際には費用が発生しない経費です。
⑧損害保険料
自然災害による損害に備えるための火災保険や地震保険など、に対する保険料を経費として計上できます。
⑨その他の費用
打ち合わせなどの不動産運営に関する旅費交通費、不動産投資に関係する書籍や新聞を購入した場合の新聞図書費、業務で使用した電話費用などの通信費、税理士費用などが挙げられます。
節税のための次の重要ポイントは「減価償却費」です。減価償却費は、不動産の取得費用を定められた耐用年数に分割し、それを経費として計上したものです。
土地は劣化等による価値の減少は考えられないため減価償却費は計上できませんが、建物は構造によって耐用年数が定められており、経費として計上することが可能です。お金が実際に動いていなくても経費として計上するため、節税において重要な役割を担っていることになります。
各構造で定められた耐用年数は以下のようになります。
・軽量鉄骨造・・・・・・19年
・木造・・・・・・・・22年
・鉄骨造・・・・・・・・34年
・鉄筋コンクリート造・・47年
建物の構造によって設定された耐用年数以内であれば、毎年減価償却費を経費として計上できます。経費が増えた分課税所得が減り、結果的に所得税が少なくなることがあります。
確定申告で「家族への給与支払い」として経費計上できれば、その分課税所得を減らすことができ節税に繋がります。
家族への給与を経費として計上するためには、青色申告にする必要があります。青色申告であれば「専従者給与」として給与を経費として計上することができ、その分課税所得を減らすことが可能となります。
白色申告の場合は、家族に支払う給与を経費として計上することはできません。「事業専従者控除」という控除がありますが、上限の控除額が配偶者86万円、それ以外は50万円と定められています。
青色申告で給与を経費として計上した方が、より多くの額を経費として計上できるため、その分所得税を多く減らすことができて節税につながることになります。
「所得税の計算方法」の項で解説をしましたが、サラリーマンで会社から給与をもらっている方などの場合、給与所得と不動産所得を合算して課税所得を算出します。これを「損益通算」といいます。
給与所得が500万円で不動産所得が100万円の赤字の場合、課税所得が400万円となって所得税を少なくすることができます。しかし、不動産所得が赤字なのであれば、所得税が減っても結果的にお金が減って損をしているのでは、と感じる方も多いでしょう。ここでポイントになるのが、先ほど解説をした「減価償却費」です。
先述したように、減価償却費は不動産の取得費用を定められた耐用年数に分割して、毎年経費として計上します。この経費は、実際の現金支出がなくても計上できるため、手元のお金を減らさずに経費を増やすことができます。
その結果、手持ちのお金を減らすことなく所得税を減らすことができますので、節税をするための方法として利用できます。
節税をするための方法やポイントをご紹介しましたが、必ずしも節税できるわけではありません。ご紹介した方法でもリスクは伴うので、誰でも簡単に成功するわけではありません。失敗事例とリスクを把握しておくことで、あらかじめ失敗要因を排除できるようにしましょう。
メリットだけを見て始めてしまうのは危険です。どんな事柄にも、メリットがあればデメリットもあります。始める前には十分に調べましょう。
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不動産における家賃収入や経費は毎年一定ではありません。建物の築年数や景気の動向などによって収入や経費が変化することもあります。メリットで紹介されている事象だけが起こるわけではありませんので注意しましょう。
一度成功したやり方をただ踏襲していても地域や物件が変われば、やり方は変わります。
例えば日本だけでなく海外で不動産投資を行う場合、事前にその国にはどのようなリスクがあるのかを調べておくことが必要です。
海外での投資リスクには「カントリーリスク」と呼ばれるものがあり、これは政権交代や急激なインフレ、通貨の急落、戦争や内乱など、その国の社会情勢の変化によって資産価値が変動するリスクです。特に、新興国において発生しやすいリスクと言えます。
日本での成功事例をそのまま適用するのではなく、しっかりと現地の情報も仕入れておきましょう。
不動産における収入や経費は毎年一定ではないので、現在は高利回りでも、数年後には変わっている可能性があります。
築年数の経過で入居者が減って空室が増加したり、それに伴って家賃を下げたりして現金収入が減るといったリスクもあります。
またそのほかにも、経年劣化による修繕費や管理費の増加、ローン利息の上昇などのリスクもあるので、目先の利益にただ飛びつくのではなく、中・長期的な視点で不動産投資を行いましょう。
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不動産投資をすることによって、確かに節税となるメリットはあります。しかし、同時にデメリットやリスクもあるのが事実です。
迷いや悩みごとがあった場合、自分だけで決断をすると、大幅な赤字となって節税どころではなくなってしまう恐れもあります。そんなときは一人で悩まずに、信頼できる不動産のプロに相談しましょう。
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不動産投資は資産形成はもちろん、うまくいけば収入が増える可能性もあります。そのなかで上手に経費計上することで、節税をおこなうことも可能です。
ただし一人で調べて節税のメカニズムを理解するのは難しいのも事実です。そんなときは、信頼のおけるプロに相談しましょう。
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