マンション経営について、「経営をしてみたいけれど、空室リスクが怖い」「うまくいかずローンを返せなくなってしまったらどうしよう」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
マンション経営にありがちな失敗事例を学ぶことで、大きな失敗を避けることができます。そこでこの記事では、マンション経営の失敗事例や失敗しやすい理由、収益を出しやすい物件の特徴などをご紹介します。
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マンション経営で失敗する大きな理由は、「物件の選び方を間違ったこと」と、「利益を見誤ってしまったこと」の2つが多いでしょう。逆に言えば、これらがうまくいっていれば、マンション経営は成功であるといえます。
まず、物件を選ぶ際には、立地や築年数、家賃相場、駅からの距離など、総合的に見て判断することが大切です。物件を見誤れば収益は目論見どおりにならず失敗してしまう可能性があります。
例えば、月7万円、年間84万円の家賃収入を想定していたとします。しかし、入居者が決まらず家賃を5万5,000円まで下げなければならない場合、年間の家賃収入は66万円となり、約20万円近くダウンしてしまいます。空室リスクやリフォーム費用なども十分考慮した上で、収益を想定するようにしましょう。
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マンション経営で大切な要素のひとつが、物件選びです。収益性のある物件を購入して運用することで、安定した収益を得ることができます。
購入前は良い物件だと思っていても、実際に運用をはじめてからアクシデントが起きたり、思わぬ出費が必要になったりすることもあります。ここでは、物件選びに失敗した3つの事例をご紹介します。
大学のキャンパスの近くにあるワンルームマンションを投資物件として選んだAさん。郊外ではあるものの、共学で学生数も学部数も多い大学のため、学生の賃貸需要が高いことを見込んで購入しました。実際に、購入して3年間は常に満室となり、月6万5,000円の家賃設定で、安定した経営を続けていました。
ところが3年後に突然、大学のキャンパスが都心へ移転することが決まりました。建物の老朽化や、都市部エリアにある大学の人気が高まってきたことが理由でした。
Aさんが所有していたマンションは駅から徒歩20分程度と遠いうえに周辺には何もなく、スーパーにも自転車で行かなければなりません。大学の移転後は入居者が現れず、大幅に家賃を下げることになってしまいました。
不動産投資を始めたいもののお金をあまりかけたくなかったBさんは、競売物件として売りに出されていたワンルームマンションを1,200万円で購入しました。競売物件のため内見はできませんでしたが、通常価格の半額程度とかなり安く、Bさんは「お宝物件を購入できた」と満足していました。
しかし購入後に部屋の中を見てみると、室内に欠陥が見つかりました。また、浴槽や洗面台などの水回りにはカビが生え、壁や床には落ちない汚れがついているなどダメージが見られ、そのままでは住めない状態だったのです。
競売物件の場合は通常の物件とは異なり、売主に瑕疵担保責任がないため、修繕費用の負担などは自費になります。結局、修繕費用やリフォーム代に数百万円ものお金がかかってしまいました。
「自分の貯金で買える物件がいい」「ローンは組みたくない」と考えていたCさんは、築39年のワンルームマンションを1,000万円で現金購入しました。購入した場所は若者に人気のエリアで、駅からの距離もそれほど遠くなく、立地条件には優れていました。
しかし、購入後数か月が経過しても入居者が決まりませんでした。また、せっかく決まっても短期間で退去する人が多く、定着しませんでした。実際にはマンションに住む住民の高齢化が進んでいたり、空室が目立ったりするなど、マンションの治安もよいとはいえない状況でした。
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マンション経営を行う際の物件選びには、コツがあります。失敗をしないためには、物件選びの条件は立地条件や築年数、競売物件かそうでないかなど、ポイントを押さえておくことが大切です。
特にマンション経営初心者の場合は、より慎重に物件を検討することをおすすめします。ここでは、マンション経営における物件選びの基礎知識をご紹介します。
特に地方都市では、物件を選ぶ際に大学のキャンパスの近くや、オフィスビルが多いエリアを条件に入れる人もいるでしょう。確かに、それらの近くの物件にはある程度の賃貸需要が見込めます。
しかしそれだけを条件にすると、大学や会社が移転してしまった場合の空室リスクが高くなります。最悪の場合は家賃を大幅に下げたり、売却しても買い手がなかなかつかなかったりするかもしれません。
大学のキャンパスに近い物件を選ぶ場合、駅からの距離があまり遠くない大学に絞ったり、周辺にお店が充実していたりするなど、もしも大学が移転してしまっても空室リスクが低そうな場所にある物件をおすすめします。逆に大学のキャンパスが近くなくとも駅近や周辺環境のよさなど、入居者が「住みたい」と思える要素が複数ある物件を選ぶことでリスクを減らすことができます。
通常、投資物件を購入する際には内見をしません。しかし、値段設定の材料や物件の状態を把握するために内見はしておいたほうがよいでしょう。欠陥やダメージがあると入居者から値段交渉を求められますし、新しくついたキズなどの責任を問うことができなくなります。また、家賃に見合わない状態であると入居を見送る人が続く可能性もあります。
もし内見ができない場合は、物件を管理してくれるパートナーと連携して「賃貸がつかないリスク」を回避する対策を用意しておくことが大切です。
鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は、47年です。アパートの法定耐用年数は、軽量鉄骨造が19年、木造が22年、鉄骨造が34年、鉄筋コンクリート造が47年です。
これらは税法上のもので、実際にその年数しか住めないというわけではありません。大規模修繕やリフォームなどを実施することで、法定耐用年数を超えても稼動している物件は数多くあります。
しかし、築年数が経過するほど、建物や設備の老朽化が進んでいきます。最初に築古の物件を購入すると、最初のうちは入居者が入っていても、長い目で見ると空室リスクが高まったり、修繕費用がかかったりする可能性があります。中古物件を購入する際は、マンションの寿命を考えて決めることをおすすめします。
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マンション経営では、事前に「これくらいの利益を得られるだろう」とシミュレーションをしておく人も多いでしょう。しかし、購入後に想定外のことが起きたり、イメージと現実の違いに開きがあったりして、思うように収益を得られないケースも少なくありません。
ここでは、マンションやアパートの経営者が収益を見誤ってしまったことにより失敗した2つの事例をご紹介します。
Dさんは、交通アクセスもよく人気の高い都心エリアにワンルームマンションを購入しました。Dさんが購入したマンションは広くはないものの、築浅で駅からも5分程度の好立地です。
そのため、周辺相場を調べずに10万円に家賃を設定しました。しかし、なかなか入居希望者が現れなかったため、周辺の相場を確認してみたところ……そのエリアのワンルームは約7~8万円が相場でした。Dさんは、マンションを購入したエリアでは、10万円以上の物件を借りる人が少ないことに気づきました。
Dさんは壁紙などのリフォームにもお金をかけていたため赤字が続いていましたが、相場に近い家賃にまで下げ、ようやく入居者が見つかりました。
Eさんは、築39年の一棟アパートを2,400万円で購入しました。外観や部屋の中はかなり古いものの、ビジネス街に近いエリアにあり駅からも5分程度と、立地条件は十分です。全4戸の部屋を月5万円で貸せば年間の家賃収入は240万円になり、利回りは10%になる想定でした。
若手社会人などの単身者の需要を見込んで購入しましたが、Eさんがアパートを購入したエリアは比較的高所得の人が住むエリアで、周辺には築浅のマンションや新築アパートなどが多く、築40年近いEさんの所有するアパートは敬遠され常に空室が出ている状況でした。
全部屋が満室にならず、Eさんは家賃を4万5,000円にまで下げなければならなくなりました。さらに、老朽化による修繕費用もかかり、想定外の出費も増えてしまいました。
マンション経営では、その物件がどのくらい収益を生み出せるのかを想定しておくのが基本です。家賃収入や修繕費など、収入と支出にどのようなものがあるのかを洗い出したうえで、利益を考えるようにします。
想定していた利益と実際の利益に大幅なズレが出てしまわないよう注意が必要です。ここでは、マンション経営の利益計算の基礎知識をご紹介します。
例えば同じ間取り・築年数のワンルームマンションでも、都心から数駅のエリアにあるのか、都心から電車で1時間程度かかるエリアにあるのかで、家賃は大きく変わります。
都心であれば狭い部屋を高い家賃で貸すこともできますが、その分物件の購入価格は高くなります。郊外になるにつれ物件価格は安くなりますが、その分家賃相場も下がるため、家賃設定は都心と比べると低くなります。
いずれにしても、物件を購入したいエリアの周辺相場を事前に調査しておくことが大切です。周辺相場より高ければ、地域の生活水準から離れているため需要はありません。逆に相場よりも安くても「ワケあり」のような印象を与えてしまいます。周辺相場と、自分が設定しようとしている家賃相場がかけ離れていないか注意しましょう。
マンションやアパートの価値は、年々下がっていくものなのでしょうか。不動産の価値は需要があるか無いかで測られるため、一概に築年数が経過すると価値が下がるとは言えません。しかし、新築と中古の品質を考慮した家賃設定を行う必要はあります。
また、新築物件はプレミアがあるため家賃設定を高くすることができますが、購入金額も高くなります。ただ新築は人気ですが、見合った家賃設定でなければ需要が生まれません。一方、中古物件は安く購入しやすく、無理のない家賃設定が可能です。借りやすい家賃は入居率を上げるポイントとなり、資金回収も早くなります。
マンション経営は、「派手に儲ける」というよりも、堅実にコツコツと長い間収益を生み出すことができる物件を選ぶようにしましょう。目先の利益や魅力にだけ飛びついて物件を購入してしまうと、後から思わぬ失敗をして後悔をすることにもなりかねません。
ここでは、マンション経営における手堅い物件を選ぶコツをご紹介します。
地方都市でも発展している所はありますが、やはり大都市の物件の方が、その分だけ人が多く賃貸需要が高くなります。
現在は大都市に人口が密集している状況で、今後急激に大都市の人口が減るとは考えにくいでしょう。交通インフラが整っていたり、有名な学校や企業などが大都市に多かったりする点でも、大都市の賃貸需要は低くなりにくいと考えられます。
「自分は地方に住んでいるから、大都市でマンション経営はできない」と考える人がいるかもしれませんが、そこに住んでいなくてもマンション経営をすることはできます。不動産会社や管理会社と契約し、管理・運営を代理で行ってもらうことが可能です。地方に住んでいるから大都市で不動産経営ができないというわけではないのです。
地域や建物にブランド力を持つ物件も、安定して収益を生み出せる可能性があります。例えば、人気の街ランキングの常連に入る街や、住みやすさや管理などに定評のあるブランドマンションなどです。ブランド力があればそれだけ入居希望者の数も多くなるため、高い家賃設定も受け入れてもらえます。
また築年数が経過しても、需要が続けば価値が維持できるため家賃を下げる必要はありません。他のエリアであれば空室になりそうな古いく狭い物件でも、ブランド力のある地域であれば入居希望者が現れやすい傾向にあります。
ブランドマンションの場合は、建物自体の造りもしっかりしていることが多いため、その点でも信頼できます。購入してからすぐに修繕が必要になったり、想定外の支出が増えてしまったりする可能性も低いでしょう。
マンションを購入する際には、マンションの維持コストができるだけ少ない物件を選ぶと良いでしょう。通常、マンションの管理費や共益費などは、マンションを維持・管理していくために使われます。
築古マンションの場合、共用部分の電球の交換や清掃費用、修繕費など、維持コストが意外とかかってしまうことがあります。「管理費や共益費が高いのに、家が古い」と入居者に思われてしまった場合、敬遠される可能性もあります。
新築マンションであれば、建物が新しいため、維持コストは安く済みます。途中で入居者の入れ替わりがあっても、長期間空室のままになってしまうということにはなりにくいでしょう。
賃貸需要の高い東京圏でも、今後の需要が見込まれる3つのエリアをご紹介します。都市開発によって需要が高まる例としてわかりやすい「品川」「池袋」「横浜」の3つのエリアです。
・品川エリア
2020年に、JR山手線の新駅である「高輪ゲートウェイ駅」の開通や、2027年に品川~名古屋間でリニアモーターカーが開業予定です。新たな交通手段が増えることで、より賃貸需要が増えることが予想されます。
・池袋エリア
昔は「治安がよくない」という印象もあった池袋ですが、最近では駅前の再開発や人口増加、タワーマンションや公園の建設などが進んでいます。ファミリー層にも人気が高く、勢いのある街のひとつです。
・横浜エリア
横浜では現在、みなとみらいエリアに大学や商業施設、ホテル、コンサート会場などの建設が進められています。昔からブランドのある街として知られており、今後、さらなる人気が期待できます。
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マンション経営で失敗しないためには、失敗事例を事前にリサーチすることが大切です。失敗事例を分析することで過ちやリスクを学ぶことができます。物件選びや情報不足、収益計算の誤認など、さまざまな失敗事例を参考にあらかじめリスクを想定し回避する手段を講じましょう。
失敗を避けるためには、パートナー選びは特に大切です。わからないことや不安に思うことを率直に相談できるパートナーでなければ、改善や成長が期待できません。物件選びから運用管理まで相談できるパートナーを選ぶようにしましょう。
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