マンション経営にはどんなリスクがある?
効果的な対策をご紹介

「マンション経営に興味はあるけれど、始めたところで失敗しないだろうか……」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。マンション経営は物件を購入する必要があるためリスクがあることは否めません。上手に経営するためには、あらゆるリスクを想定した上で、対策をすることが大切です。

この記事では、マンション経営を始めるにあたり不安を感じている方へ向けて、考えられるリスクと対処法を紹介していきます。

【関連記事】マンション経営のメリットとリスクとは?長期的な安定経営を実現しよう!

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    マンション経営のリスクとは

    マンション経営に関わらず、資産運用と呼ばれるものは相応のリスクを伴うものです。リスクを伴うからこそ、利益が生まれるとも言えるでしょう。

    運用の失敗を回避するためには、あらかじめどのようなリスクがあるのか知っておくことが重要です。まずはマンション経営をする上で、リスクとして考えられることを見ていきましょう。

    物件の購入経費が高額になる

    マンション経営は初期投資に大きな金額が必要です。マンション自体の価格も高額ですが、購入時には登録免許税や司法書士に支払う手数料、購入後には不動産取得税がかかります。そのため初期は経費が収入を上回ることになります。

    収入が安定してくれば手堅いですが、初期には高額な借り入れもやむを得ないと心得ておきましょう。ただし多額の諸経費がかかることを利用して、節税効果が期待できるという一面もあります。

    運用に経費がかかる

    マンションのオーナーは居住できる空間を提供するだけでなく、快適に保たなければなりません。快適な居住空間を維持するためのメンテナンスにかかる費用を「管理費」といいます。修繕だけでなく、日常的に行う清掃の費用も含まれるため、管理費は毎月かかってくるランニングコストになります。

    また管理費以外にも建物が老朽化した際、大規模な工事を行うための資金も積み立てておかなければなりません。これを「修繕積立金」といいます。そのほか、固定資産税や火災・地震保険料など、継続的にかかってくる経費があることも踏まえておきましょう。

    入居者不在、空室リスク

    マンション経営では入居者がいないと収入を得られません。設備の管理をきっちりと行い住環境を整えていたとしても、住むかどうかは入居者の個人的な事情にもよるため、空室が出てしまうのはやむを得ない場合もあります。

    入居者不在or空室の問題には立地条件が深く関係してきます。学校や企業の移転、近隣に新しくマンションが建つなど物件周辺の状況は一定ではないため、コントロールしにくい部分でもあるでしょう。入居者不在の際の家賃保証や入居者の仲介をしてくれる業者を選ぶと、この辺りのリスクを減らすことができます。

    家賃の滞納問題

    一棟マンションやアパートを所有している方にとって、家賃の滞納は深刻です。滞納されてしまうと、その部屋の分の収入を得られないことになります。また、家賃を払っていなくても入居者はそのまま住んでいるわけですから、他の入居者を迎えることもできません。収入がないまま部屋の劣化だけが進んでしまうという、より深刻な状況になってしまいます。

    滞納者には支払いを催促することになりますが、時間や手間がかかるため本業がある人にとっては現実的ではありません。本来であれば、管理会社に委託する業務です。

    入居者がトラブルを起こすことも

    マンションでは複数の人が隣り合って暮らすことになるので、入居者間でトラブルが起こる可能性もあります。入居者同士が実際に顔を合わす機会はそれほどなかったとしても、隣近所から聞こえてくる騒音がトラブルに発展することもあるでしょう。

    クレーム源になる入居者がいた場合、オーナーは注意を促すなど的確に対処する必要があります。もしクレームの声が上がらなかったとしても、入居者が居つかないということにも繋がりかねません。

    売却額以上のローンが残ってしまう可能性がある

    マンションを購入するためにローンを組む方は多くいます。生活のバランスを考慮して返済期間を長めに設定する方もいるでしょう。しかし、長く設定しすぎて売却したい時期になっても、ローンが残ってしまう可能性があります。

    ローンが残っている状態で売却したい場合は、売却で得られた資金でローンを返済する方法が取られます。もしも売却価格がローンの残債に達しないときは、不足分を現金で用意する必要があります。

    通常は物件を担保にローンを組むことになりますが、ローンを返済できなければ金融機関がマンションを差し押さえてしまうので、次のオーナーへ物件を譲ることができません。マンション経営で利益を得るには、無理のないローン「返済額」と「返済期間」の両者を検討する必要があります。

    物件を手放したくても売れない可能性がある

    マンションは購入した段階から建物の価値が月日を追うごとに下がっていきます。「古くなっていくのだから価値が下がるのは当然」と思うかもしれません。しかし、なかには購入してから2、3年しか経っていないのに値段が3~4割も下がってしまう例もあります。

    物件の値段が低いと次のオーナーへ売りやすい反面、安値の理由によっては買い手がつかないリスクにつながります。価値が下がったという事実は、経営の不利になります。経営するからには利益が求められますので、膨らみが期待できないと買い手はつきません。価値が下がった物件を売る場合は、付加価値を探す必要があります。

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      マンション経営のリスクを知らずに失敗した事例

      続いて、マンション経営に失敗してしまった事例でよくあるものを見ていきましょう。

      マンションは特に購入時に資金がかかり、回収するにもある程度の時間を要します。そういったことから、物件を選ぶ段階での判断力が大きな鍵を握っているといえるでしょう。起こり得る事例を知っておくことで、実際の場面でも正しい判断を下せる可能性が上がるはずです。

      入居者が思うように入らない

      入居者が思うように入らず家賃収入が想定に届かないというのは、マンション経営の失敗の中でもよくある例でしょう。

      マンションの購入時はあらかじめ利回りをシミュレーションし、どれぐらいの収支になるかを計算しますが、実際に期待通りに入居者が入るかどうかは蓋を開けてみなければわかりません。空室が頻発した場合、資金に余裕がなければすぐに経営は立ち行かなくなってしまいます。

      すぐに利益を求めるのではなく長期的なビジョンを定め、資金に余裕を持った経営をしていくことが大切です。

      そのため、入居率が高い物件や高い可能性のある物件を選ぶことが不動産投資では重要になります。

      競売物件に安易に手を出す

      「相場よりも安いから」と競売物件を購入したものの、リフォーム代で結局高くついてしまった例があります。

      競売物件というのは借金や税金が未払いだった人の所有物で、未払い分を回収するために裁判所が売りに出した物件のことです。確かに相場よりも安いということもあり、一見利益が出やすいようにも思えます。

      しかし以前の管理者が多額の債務を抱える人だと考えると、物件がどんな扱われ方をしていたかわかりません。せっかく安く手に入れたのにリフォーム代がかかってしまっては、手間が増える分、損をしてしまいます。

      利回りだけで判断して購入する

      利回りが良いと思って地方のマンションを購入したものの、購入してすぐに入居者が離れてしまい、結局家賃を下げて募集しなければならなくなったという事例があります。

      マンション経営において、単純に利回りの高さがメリットを指すとは限りません。

      「購入費用が安いのは、地方の物件であったり、それなりの築年数が経っていたりするからです。それに対して家賃が高ければ利回りは良くなりますが、地方だとそれも難しく、また都心のように常に人がいる状態ではなく人口も流動的で、競合となる新しい物件を建てる土地もたくさんあります。同時に築年数が古くなっていけば、そのままの家賃で入居者に住み続けてもらうことは難しくなります。

      購入後に付近の大学が移転する

      駅や都心から離れている物件でも、近隣に大学があり、学生の賃貸需要で経営が成り立つ場合があります。しかし、それを当てにしたのが仇となり、大学の移転に伴って一気に空室が増え、その後経営が成り立たなくなってしまったというケースもあるのです。

      駅や都心へのアクセスが良くないその物件には、大学から近いという利点しかありませんでした。そのまま経営を続けるのは賢明ではありませんし、かといって売却しようにも売値も大きく下がってしまいます。特定の大学や企業の賃貸需要に入居者を頼るのは、先のことを考えると不安定なものだと心得ておきましょう。

      キャピタルゲインだけを狙う

      キャピタルゲインというのは、マンションを売却して得られる売買差益です。ただし、近年においてマンションの売買でキャピタルゲインだけを狙う方はあまりいないでしょう。

      最近ではあまり見られない事例ですが、バブル期にはキャピタルゲインを狙ってマンションを購入する人がたくさんいました。当時は「不動産は買った直後から値上がりする」というのが通説だったのです。

      しかしバブルが崩壊してしまい、値上がりを前提にマンションを購入すること自体がリスクになりました。今は、簡単にキャピタルゲインだけを狙うことは難しい時代です。長期的に不動産を所有して、定期的な収益を得ながら売却時の価値を計算する必要があります。

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      マンション経営のリスクを抑えるための対策方法

      ここまでマンション経営のリスクや実際に起こり得る事例を紹介してきましたが、このような失敗を回避するには具体的にどういった対策を取れば良いのでしょうか。さまざまなケースが考えられるため、一つでも多くの方法を知っていたほうが実際の場面でも役立てることができるはずです。ここでは有用な方法をいくつか紹介していきましょう。

      都心の新築マンションを優先して選ぶ

      マンション経営が上手くいくか否かは、購入したマンションに長期的な需要があるかどうかで決まると言えます。そういった意味では、人が多く集まる都心の新築マンションを優先して選ぶことは理に適っています。

      確かに地方には購入価格も安く、利回りの良い物件もたくさんあります。しかし「利回りが良い物件はその変動も激しい」ということは失敗例でも挙げた通りです。

      都心のマンションは購入価格が少し高く、利回りが低くなる点は否めません。しかしマンション経営は一時の利益ではなく長期的な視点で行うものです。そのことを踏まえれば、利回りが低くても、長期に渡って需要が見込める都心を選ぶことが結果的に安定した経営に繋がることも理解できるはずです。

      入居者が入りやすい部屋を選ぶ

      入居者が入らないことには家賃収入を得られないので、毎月の収支は大きくマイナスになってしまいます。そのため、まずは入居者が入りやすい部屋にすることが大切です。

      また人気の部屋であれば、入居者が数年で部屋を退去した後でも、すぐに次の入居者が決まります。

      それではどのような物件が良いのでしょうか。要素としてはいくつかありますが、セキュリティーなどの設備が充実していること、駅から近いことなどが挙げられます。

      物件選びの際は部屋のタイプごとの需要を踏まえ、どの層をターゲットにするかを考えると失敗が少なくなるでしょう。

      内覧をする

      失敗例でも紹介した競売物件は内覧ができない場合が多々あります。価格が安いのは確かですが、マンションの価値は価格、立地といった要素だけではわかりません。競売物件の場合はきちんと内覧を行って初めて価値を見極められるものだと心得ておきましょう。入居者がいなければ成り立たないのですから、居住空間の状態はマンション経営に関わる大きなポイントです。

      競売物件でなくとも安い物件にはそれ相応の理由があるものです。お得な物件ほど慎重に吟味する必要があると言えます。ただ素人には判断がつきにくいことも多いので、マンションの販売業者に頼る部分が大きくなるかもしれません。信頼のおける業者を選ぶことも失敗しないための大事な要素だといえます。

      綿密な資金計画を立てる

      マンション経営の利益というのはそのときになってみなければわかりません。しかし、家賃収入に対して諸経費やローン返済といった出費がどのくらいかかるのか、事前に綿密な計画を立てることは重要です。

      きちんと想定しておけば、空室によって収入が減ってしまった場合も、「ローンを支払えずに売ることになってしまった……」といった状況は避けることができるでしょう。

      また、ローンを組む際には頭金を多めに出しておくと返済額が減って楽になります。マンションはローンで購入するのが一般的とはいえ、ローンはあくまで、まとまったお金が用意できない時にそれを補う手段です。金利のことを考えると、現金で払える分は払っておくに越したことはありません。

      修繕や老朽化の対策を計画的におこなう

      設備の修繕や老朽化の対策に関しても「壊れたら直す」といった場当たり的な経営をしていると、余計に経費がかかる要因になります。あらかじめ工事の計画を立てておくこと、そして、想定外の破損が起こった際は修繕するべきか否かをしっかり吟味することが大切です。また計画を立てておくことで、管理にかかる費用もより明確になります。

      修繕を依頼する場合、「どこでも同じだろう」と安易に業者を決めてしまわず、複数の業者に見積もりを出してもらうようにしましょう。その際は費用面だけではなく、内容や対応などトータルで判断すると良いでしょう。長期的に設備を管理していくことを考えると、より良い業者と付き合っていくことも大事なポイントです。

      入居者のクレーム対策をする

      複数の入居者がいる以上、トラブルが起きることもあるでしょう。クレームがあった際には、とにかく迅速に対応することが大切です。問題を感じているのは何もクレームを入れてきた人だけではありません。問題を感じていても黙っている人がいることを考えると、対応が遅くなることは入居者の定着率に大きく響いてきます。

      運営を管理会社に任せていれば、クレームに関しても、対応を熟知したスタッフが対処してくれます。管理を依頼する分、利回りは下がってしまいますが、迅速なクレーム対応が入居者の定着率に繋がることを考えれば、むしろリスクを回避することにもつながります。管理体制については「自分でどこまでの対応ができるのか」を踏まえて考えたいところです。

      自然災害に備えて保険に加入する

      火災や地震といった自然災害にも保険に加入することで備える必要があります。火災保険に関しては加入している人がほとんどでしょう。一方、地震保険はというと、マンションが構造的に揺れに強いこともあり、必要かどうか意見が分かれる部分です。

      しかし、加入していることのメリットの一つには「万が一、災害が起こっても大丈夫」という安心感があります。少しでも不安を感じるのであれば加入することの意義は大きいと言えます。

      また保険に加入すると同時に、災害に遭ってしまったときの被害を最小限に抑える工夫をしておくのも有効です。マンションが建っている土地の地盤の強さやマンション自体の耐震設計に着目して物件を選ぶのも一つの手でしょう。

      【関連記事】マンション経営の失敗事例から学ぶ基礎知識

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      まとめ

      購入や運用に費用がかかることはもちろん、空室で家賃収入が減るリスクも踏まえた上で、マンション経営は長期的なビジョンを持って計画的に取り組んでいく必要があります。そのため初めてマンション経営をする方は、難しさを感じるかもしれません。

      トーシンパートナーズでは「管理代行システム」や一定割合の賃料を保証する「借上システム」など、オーナーとなるお客様のサポートに力を入れております。「マンション経営を検討しているけれど、リスクを考えると不安も大きい……」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください!