夫婦2人で老後の生活を快適に送るためには、ある程度の貯蓄が必要です。必要な資金は持ち家があるかどうかでも変わりますが、具体的な金額が分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、老後を夫婦で過ごすために必要な資金の目安について解説します。持ち家の活用方法も併せてご紹介するので、有意義な老後を実現するきっかけとなるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
定年退職後も豊かな生活を継続するためには、老後資金として2,000万円~3,000万円が必要といわれています。2018年に行われた家計収支の調査では、高齢夫婦世帯の消費支出の平均は1か月当たり23万5,615円という結果でした。内訳は以下の通りです。
項目(内訳) | 割合 |
---|---|
食料 | 27.7% |
住居 | 5.8% |
光熱・水道 | 8.4% |
家具・家事用品 | 4% |
衣類や履物 | 2.6% |
保険医療 | 6.4% |
交通・通信 | 11.9% |
教養娯楽 | 10.3% |
その他 | 22.8% |
住居費は約1万4,000円と多くないため、持ち家率が高く、固定資産税のみの支払いと想定されます。ただし、持ち家はリフォーム代が必要になる場合があるので、資金には余裕をみておくのがよいでしょう。
(参考:『図1 高齢夫婦無職世帯の家計収支 -2018年- 』)
老後の資金がどのくらい必要かを把握するには、支出額や年金支給額を明確にする必要があります。目安とされる金額はあくまでひとつの基準なので、自分にとって必要な資金を算出しましょう。ここでは、持ち家のある夫婦が老後に必要な資金を調べる方法について解説します。
まずは月々の支出額を明確にし、どの項目にいくら費やしているか把握しましょう。食費のような変動が激しい項目は、平均的な金額で構いません。なるべく細かい項目まで挙げると、老後に必要な支出かどうか判断しやすくなります。
持ち家の場合、固定資産税も支出額に加えましょう。また、建物のメンテナンス費用やリフォーム代も考慮しなければなりません。災害により急な出費を要するケースも想定しておくと、貯蓄金額に反映できます。
定年退職後に受け取れる年金支給額を明確にしましょう。老後も夫婦2人で生活するなら算出するのは2人の合計額です。国民年金や厚生年金以外に私的年金に加入している方は忘れずに支給額に加えます。
平成30年度末の平均年金額は、厚生年金(第1号)が約14万6,000円、国民年金が約5万6,000円です。また、定年後も仕事を続ける意思がある方は、給与所得の金額もシミュレーションに加えるとよいでしょう。
(参考:『表7 公的年金 受給者の平均年金月額(平成30年度末) 』)
支出額と年金支給額を踏まえ、実際に必要な資金をシミュレーションしましょう。このとき、複数の可能性を考慮してパターンに分けるのがおすすめです。たとえば、80歳、90歳、100歳といったようにさまざまな寿命を想定するとよいでしょう。
できるだけ寿命を長く想定してシミュレーションすると、老後の生活に必要な資金が求められます。多少は増減する可能性があるものの、貯蓄や資産運用の計画を立てる際の目安として役立つでしょう。
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定年退職後は収入が減るため、多額の資金が必要となります。しかし、十分な貯蓄がない方も多いようです。
以下の表は、2018年に調査した金融資産の金額と、保有している人数の割合に関して60歳代の回答の一部をまとめたものです。
金額 | 割合 |
---|---|
保有していない | 23.7% |
100万円未満 | 3.5% |
100万円〜200万円未満 | 4.0% |
300万円〜400万円未満 | 3.9% |
500万円〜700万円未満 | 5.9% |
1,000万円〜1,500万円未満 | 9.8% |
2,000万円〜3,000万円未満 | 9.1% |
3,000万円以上 | 15.4% |
無回答 | 7.9% |
「資産がない」と回答した方は全体の20%以上にのぼっています。一方、理想とする2,000万円以上蓄えている方は25%にも満たないため、十分な資金が確保できていない方のほうが多いといえるでしょう。
(参考:『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降) per21901.xlsx(シート0004) 』)
いつから老後資金の準備を始めればいいのか分からないと悩んでいる方もいるでしょう。一般的には、なるべく早く始めるのがおすすめです。収入を貯蓄に回せるうちに始めておけば、経済的な余裕がない時期の負担を軽減できます。
たとえば、結婚やマイホームの購入にお金が必要な時期は、貯蓄できないかもしれません。このようなライフイベントは後回しにせずに、生活が落ち着いてから資金形成を再開してもよいでしょう。
したがって、さまざまなライフイベントや子育てが落ち着き、収入の見通しが立った40歳前後が老後資金の準備を始める時期の目安です。
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現在持ち家がある方は、老後に活用できるよう準備を始めるとよいでしょう。住み続けるためにリフォームを行うだけでなく、売却したり二世帯住宅にしたりといった選択肢があります。ここでは、持ち家を老後の生活に役立てるポイントを4つ見ていきましょう。
亡くなるまで今の家で暮らしたいと考えている方には、住みやすい環境を実現するためにリフォームがおすすめです。すでに改築した家や購入後間もない家なら不要かもしれませんが、自己資金があるうちに実行した方がよいでしょう。
足腰が弱った老後に住むことを考えると、バリアフリー住宅が適しています。ちょっとしたことがケガにつながるリスクがあるので、敷居の段差や階段のステップをリフォームすると安心です。
バリアフリー化を目的としたリフォームなら、自治体から補助金を受けられる場合があります。地域によって制度は異なりますが、リフォーム代を節約しながら安全な家に住める方法です。現在予定がない方も、長い目で見ればリフォームは検討する必要があります。どのような家にしたいか考えておきましょう。
介護施設への入居や引っ越しを予定している場合、土地や建物を売却したり貸し出したりして得たお金を老後の資金として活用することも可能です。
老朽化が進んでいる場合、小規模な修繕や全体のリフォームをしてから貸し出してもよいでしょう。ただし、費用が高額になると、家賃収入では賄えずに損をするかもしれません。不動産を貸し出す際には、不動産の価値や最終的に受け取れる金額を把握することが大切です。
一方、売却するなら一度にお金を受け取って、介護施設の支払いや新居の購入費用に充てられます。持ち家の状態や老後の人生設計を踏まえた上で、メリットの大きな方法を選びましょう。
子どもと同居する場合、新しい生活に向けて建て替えを検討するのもおすすめです。一緒に住む人数が増えるため、現状のままでは窮屈に感じることもあるでしょう。家族の数がはっきりしていれば、部屋の間取りや広さが決めやすくなります。
同居に対して不安がある方は、二世帯住宅にリフォームするのもひとつの選択肢です。子ども家族と一定の距離を保てるため、互いに干渉することが少なく済むでしょう。
また、孫がまだ幼ければ、忙しい時間に世話を手伝うことで子どもの負担軽減にもつながります。双方が安心感を得られる二世帯住宅は、子どもや孫がいる方にとってメリットの大きい方法といえるでしょう。
今の家に住み続けたいけれど老後の資金に不安があるという方は「リバースモーゲージ」と呼ばれる融資制度を利用するのもひとつの方法です。これまでと同様の生活を続けながら、持ち家を担保にすることで融資が受けられます。住人の死後、家を売却して返済に充てる仕組みです。
資金不足を理由に持ち家を手放さなくて済むので、年金で生活費を賄えない方に向いています。ただし、融資の適用には条件が設けられている点に注意が必要です。老朽化が進んでいる家や固定収入がない方は認められない恐れがあります。全ての持ち家が対象となるわけではないため、まずは自分の家が融資を受けられるか確認するとよいでしょう。
豊かな老後を過ごすために、資産を増やす方法をいくつか押さえておきましょう。貯金が苦手な方でも資金が貯まる方法はあります。現在投資を行っていない方は、投資信託や不動産投資で資産運用を始めてみてもよいでしょう。ここでは、老後資金を貯める効果的な方法を3つご紹介します。
リスクが少ない方法で少しずつ貯めたいという方には、「貯蓄型保険」への加入がおすすめです。万が一の事態に備えながら、満期保険金や解約返戻金を受け取れます。いくつか種類があるので、それぞれの特徴を確認しましょう。
収入状況や満期のタイミングによって希望に合った保険が選べます。年金のみで賄えない生活費を補うのに役立つでしょう。
株式投資や外貨預金のような投資の一種としておすすめなのが「投資信託」です。難易度が高い株式投資に比べ、未経験者でも挑戦しやすいといわれています。投資したお金の運用はプロに任せるので、価格の変動を監視する必要がない点が初心者にもおすすめできるポイントです。長期間運用を続ければ、分配金を老後資金として確保できます。
ただし、少なからずリスクを伴う点には注意が必要です。安易にスタートすると、思わぬ損失を生む恐れがあります。比較的ローリスクで利益を得られる投資方法ではありますが、専門家への相談や事前のリサーチが重要です。投資に興味がある方は、ひとつの選択肢として検討してみてもよいでしょう。
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また一般的な投資方法とは異なり、生命保険として活用できるのもメリットです。ローンの返済中に死亡すると残債が免除されるので、完済した不動産を子どもや孫に残せます。
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年金のみでは老後の生活費が賄えないといわれる昨今ですが、十分な老後資金が見込めず不安を抱える方もいるでしょう。現在の持ち家の活用方法として、住み続けるためのリフォームや売却、リバースモーゲージといったさまざまな方法を検討し、老後の生活を困窮させないような計画を立てることが重要です。
また、貯蓄型保険や投資によって資産の拡大が期待できます。子どもや孫の未来を見据えた将来設計を望むなら、複数のメリットがある不動産投資がおすすめです。トーシンパートナーズでは、お客様それぞれの考え方に合ったプランをご提案しています。ぜひ一度お問い合わせください。
<監修者プロフィール>
小菅 信也
株式会社トーシンパートナーズ 執行役員
1994年に株式会社トーシンパートナーズ新卒一期生として入社。投資用不動産の営業に従事。
2006年より営業企画課長、2015年に営業企画部長として、営業スタッフに関わる業務全般およびマーケティング施策の責任者として従事。
2021年にはマーケティング部門を立ち上げ、マーケティング部長も兼務。
2023年より上記全部門の担当役員となる。