マンション経営に元手はいくら必要?
初期費用やランニングコストを解説

マンション経営は、不動産投資における代表的な方法の1つであり、金融商品の金利低迷や年金不安などを背景に年々注目を集めています。しかし、継続的に経営を安定させるためには、必要な資金やコストについてきちんと理解しておく必要があります。この記事では、マンション経営に元手はいくら必要なのか詳しく解説します。初期費用やランニングコストについても触れていきますのでぜひ参考にしてみてください。

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    マンション経営の特徴

    マンション経営とは、マンションを購入し第三者に物件を賃貸することで家賃収入を得る投資・資産運用です。経営方法としては、一棟まるごと購入する場合と、一部屋ずつ区分で購入する場合があります。不動産投資の中でも特にマンション経営は、資産形成と相続税対策を同時に図れるというメリットがあります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

    資産形成できる

    将来に備えて投資による資産形成を行う場合、数ある投資のなかでも特にマンション経営はローリスク&ロングリターンの投資商品だと言えます。マンションの購入金額はは数千万円ですが、ローンを活用すれば毎月得られる家賃収入を返済に充当することができるため、手元の現金を大きく投資せずに資産形成が可能です。そしてマンション経営による資産運用は、一気に資産を作るのではなく、小額資金からコツコツ行うのが一般的です。

    相続税対策になる

    マンション経営は相続税対策としても有効です。現金資産を相続する際には、その金額がそのまま相続税の課税対象となりますが、マンションとして「不動産」を相続する場合には、土地と建物の両方で相続税評価額が下がります。具体的には、マンションの土地の相続税評価額は「貸家建付地」の評価減を受け、建物についても「借家権割合」による評価減が適用され、自身で利用する建物に比べても低い評価額となります。資産の評価額が下がれば、支払う相続税も減るため、結果的に相続税対策となるのです。

    マンション経営にかかる初期費用

    それでは、マンション経営は具体的に元手にいくらあれば始められるのでしょうか。一般的には元手の目安は物件価格の約2割~3割と言われています。なぜなら、融資を受ける際には、物件価格の2割〜3割程度の頭金が必要になると考えられるためです。また、これに加えていくつかの初期費用が必要になります。それぞれの項目ごとに解説していきます。

    建物に対する消費税

    マンションのような不動産を購入する際、土地は消費税が非課税ですが、建物そのものは消費税の対象となります。なぜなら、建物は使用し続けることで消費されるものですが、土地は消費されるものではないからです。また、住宅の貸付にかかる家賃には消費税はかかりません。ただし消費税は販売価格に含まれていることが多いため、物件の提案を受けた場合は初期費用として必要かを確認しましょう。

    不動産仲介手数料

    仲介手数料とは、マンション購入の取引の際、売主と買主の間に入って意見の調整や契約事務などを行う仲介会社に支払う手数料のことを指します。 仲介手数料は、物件の購入の仲介を依頼し、取引が成立した時に支払う成功報酬のことであり、契約が成立しなかった場合には仲介手数料は請求されることはありません。また物件を紹介する不動産会社が売主である場合は、売主から直接購入することになるため仲介手数料は不要です。

    印紙代

    マンションや土地など不動産を売買する際、売主と買主の間で契約を締結します。その際、契約書に記載された売買金額に応じて、契約書に収入印紙を貼付する必要があります。収入印紙とは、印紙税を支払う際に利用する証票であり、契約する金額によって収入印紙の代金が変わります。また、1万円を超える印紙を購入する際は事前予約が必要な場合もあるので注意しましょう。

    ローンの事務手数料と保証料

    自己資金だけで不動産投資するケースは稀であり、金融機関で不動産投資ローンを組むことが一般的です。例えば、物件価格の7割の融資を受けた場合、残り3割の自己資金と、ローン手数料が初期費用として必要となります。手数料には事務手数料や保証料などが含まれ、一般的には借入額の1%~3%となることが多いです。ただし、この数値はあくまで目安であり、購入する物件の資産価値や金融機関融資規模によって手数料は大きく変動するので、注意してください。

    登録免許税

    登録免許税は、不動産の登記を行う際にかかる税金です。建物を新築した際には、「表示登記」と「所有権保存登記」の2つを行う必要があります。表示登記とは、不動産登記の表題部にされる登記であり、登記義務があるため登録免許税は不要です。一方、所有権保存登記とは、新たに所持をする不動産において最初に行なわれる所有権の登記のことです。保存登記に登記義務は発生しませんが、抵当権を設定するためには必要な登記であり、その際には登録免許税がかかります。

    司法書士報酬

    司法書士報酬とは、上記で説明した登記を司法書士に依頼した場合に発生する手数料のことを言います。具体的には、登記手続き、取引の立会、抵当権設定、その他実費などを含めて数十万円が目安となります。基本的には、どの司法書士に依頼しても手続き自体は変わらないものなので、なるべく報酬が安い事務所を探してお願いするのが良いでしょう。とはいえ非常に大切な手続きとなりますので、不動産会社に紹介してもらうのもひとつの手です。

    火災保険料

    火災保険への加入はあくまで任意ですが、近年は台風や地震などの自然災害が頻発しているため、大事な資産を守るためにも加入するのが無難と言えるでしょう。具体的な金額は不動産の規模や構造によって異なりますが、一般的には10年契約でおよそ10万円前後になることが多いようです。また、不動産投資ローンを組んで購入した場合、火災保険の加入を義務化されていることもあります。

    不動産取得税

    不動産取得税とは、取得するマンションの所在する都道府県が課す都道府県税のことを言います。有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。また、新築の賃貸マンションの不動産取得税は、住宅の床面積が「40平米以上240平米以下」という条件を満たした場合、軽減措置があります。1戸あたりの固定資産税評価額から1,200万円を控除した金額に税率を乗じたものが不動産取得税となるので、確認しておくようにしましょう。


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      マンション経営のランニングコスト

      マンション経営は、家賃収入を全て収益にすることはできません。実際にはその物件を維持するためのランニングコストがかかります。マンション経営を円滑に行うためには、これらのランニングコストを事前に正確にシミュレーションすることがポイントです。ここでは、実際に必要となるコストをそれぞれ解説します。不動産投資を成功に導くために知っておいて損はありません。

      管理会社への手数料

      不動産投資物件を運用するには、入居者と内装・設備の管理が必要不可欠です。例えば、入居者の募集や賃料の集金、修繕や入居者からのクレーム対応など、賃貸管理にはやるべき業務がたくさんあります。これらの業務をオーナー自らが行う選択肢もありますが、多くの場合、賃貸管理を管理会社に委託することになります。その際に、管理委託料がランニングコストとしてかかります。

      借入金の返済

      マンション経営を行う際には、金融機関でローンを組むことが一般的です。そして、毎月の返済額もランニングコストとして計算するようにしましょう。具体的な金額は、短期で返済する場合と長期で返済していく場合で大きく異なるため、家賃収入との兼ね合いを見ながら調節するようにしましょう。

      固定資産税・都市計画税

      固定資産税や都市計画税、いわゆる「固都税」もランニングコストとして計算する必要があります。これらは、毎年5月に各市町村から納付書が送付されてきます。具体的には、固定資産税評価額の1.4%が固定資産税、0.3%が都市計画税となり、合計で課税標準の1.7%となります。一般的には、不動産物件価格の約1%程度と言われていますが、固定資産税評価額が低い不動産に対しては、さらに割安となります。

      所得税

      不動産投資で得た不動産の所得には、所得税がかかります。個人で不動産投資を行っている場合、家賃収入は不動産所得となり給与所得など他の所得と合算した金額から、各種控除や必要経費や差し引いた「課税所得」を基に所得税が計算されます。課税所得金額は大きい場合で、最大40%を所得税として納める必要があり、利益の半分近くが徴収される可能性もあります。事前にランニングコストとして試算しておくようにしましょう。

      修繕費

      賃貸物件は、点検・清掃だけでなく適切な修繕がなされていないと入居者が決まりづらくなります。退去の際には次の入居のための「原状回復リフォーム」は必須です。このリフォーム費用についても、退去の頻度や工事の内容により増減しますが、家賃収入の7%程度を見積っておきましょう。

      リフォーム費用

      もし、マンションの各部屋をリフォームする場合には、これらもコストとして計算する必要があります。一般的に、より多くの入居者を獲得し、定在率を上げるためにはリフォームによって住みよい環境を作ることも大切です。事前に相場を理解して、具体的なリフォーム費用と、その費用をいつまでに回収できるかを試算した上で、リフォームを行いましょう。

      自己資金が0でもマンション経営は始められる?

      不動産投資をはじめる際に、取得するマンションの評価が高ければ、頭金なしでローンを組む「フルローン」を選択できる場合があります。フルローンは、手元の自己資金からの支出を抑えられる反面、ローン金額が大きくなるなど、リスクコントロールに注意を払わなければなりません。ここでは、フルローンでマンション経営を始める際のメリット・デメリットについて解説していきます。

      フルローンで始めるメリット

      ・レバレッジ効果が高い
      不動産投資におけるレバレッジ効果とは、少ない出資額で大きなリターンを得ることを意味します。特にマンション経営の場合、長期的に安定した収入を見込めるのでレバレッジ効果が高いというメリットがあります。例えば、3000万円の物件を「頭金500万円+ローン2500万円(運用コスト100万円)」で購入した場合と、フルローンで購入した場合を比較してみましょう。

      ・頭金500万円の場合:3000万円÷自己資金600万円(頭金+運用コスト)=レバレッジ5倍
      ・フルローンの場合:3,000万円÷自己資金100万円(運用コスト)=レバレッジ30倍

      このように、フルローンの方が圧倒的に大きなレバレッジ効果を得られることがわかります。

      ・自己資金を温存できる
      フルローンで不動産を取得する際には、自己資金はそのまま自分の手元に残しておくことができるというメリットがあります。十分な自己資金を所持していれば、運用中にかかる突発的な出費や、リフォーム代などに費やすこともできます。フルローンで物件を購入すれば、その後の施策により力を注ぐことが可能となります。

      フルローンで始めるデメリット

      ・返済期間が長期化する場合がある
      フルローンは手元に資金を残すため、つまり経済的負担を抑えるために長期のローンを組むことが一般的です。結果的に返済期間が長期化するのでその分総返済利子が増え、総返済額が大きくなるためデメリットと言えます。また、ローンが減りにくければ売却の際にローン残債を上回ってしまうこともあります。その場合は売却可能な範囲までローン残債が減るのを待てば問題ありませんが、何らかの理由によってすぐに手放さざるを得ない場合はリスクと言えるでしょう。

      ・空室のリスクに弱い
      また、空室が与える返済リスクが高くなるというデメリットも考えられます。同じ物件に投資をしたとしても、空室リスクの影響は借りた借入金の多寡で異なるという性質があります。つまり、借入金が増えると返済額が増えるため、家賃収入に占める返済額の割合が大きくなるのです。

      マンション経営のリスクと対処法

      空室の問題や入居者とのトラブル、建物の老朽化など、マンション経営には様々なリスクが存在します。そこで、ここではマンション経営の際に考えられるリスクと、その対処法についてご紹介します。しっかりとリスクヘッジをし、いつでも対処できるように備えておくことが、安定した不動産経営に繋がります。

      空室リスク

      まず、マンション経営において空室のリスクはつきものです。マンション購入時には、事前に利回りをシミュレーションし収支の予測を立てますが、実際に予測通りに入居者が入るかは保証されていません。そのため、事前になるべく高い入居率を維持できる物件を選ぶことはもちろん、家賃の見直しや住環境の整備などあらゆる施策を講じることが重要です。

      家賃の下落リスク

      新築、中古にかかわらず入居者が付かないマンションは家賃を下げる必要がでてきます。例えば新築でも立地条件が悪く需要が低い物件や、築年数が経ち杜撰な管理しかしてこなかった中古物件などは借り手がつきにくいため家賃を下げざるを得なくなります。逆に人気の立地で需要が高く、行き届いた管理がなされている物件は築年数にかかわらず相場より高い金額でも貸すことができる場合もあります。部屋を定期的にリフォームして住み良い環境が維持され、常に新品同様の部屋を保つことができれば、少し家賃が高くても借りる方は一定数存在します。

      金利の上昇

      政府の金融政策によっては、将来的に金利が上昇するリスクがあります。金利上昇に対しては、計画的な物件の運用である程度対処することが可能です。また、月々のローン返済額を抑えるかわりに、余裕がある時には繰り上げ返済を行うことで返済総額の増大に歯止めをかける方法もあります。ローン契約時には、変動金利ではなく固定金利を選ぶのも一つの手です。

      老朽化によるコスト増加のリスク

      建物は時間の経過とともに劣化していくので、マンション経営において建物の老朽化は避けられません。また、建物が劣化していくと入居者を集めづらくなります。空室を埋めるために部屋をリフォームしたり家賃の見直しをしたり、当初の計画にはなかった出費や収入減にも備えて収支計画を立てることが重要です。

      災害リスク

      日本は、自然災害が多い国です。地震が多いだけでなく、近年では台風などによる洪水や高潮のリスクも高まっています。これらの対応策としてはやはり火災保険や地震保険に加入することをおすすめします。また、被災した際の被害を最小限に抑える工夫をしておくのも有効です。マンションが建っている土地の地盤の強さやマンション自体の耐震設計に着目して物件を選ぶことも重要です。

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      このようにマンション経営にはさまざまなメリットやリスクがあり、きちんと理解した上で経営を行う必要があります。また、個人で全てを管理することは大きな負担となるため、信頼のおける不動産業者を選び、一丸となって経営を行うことが大切です。

      マンション経営を始めたいと考えている方は、ぜひトーシンパートナーズにご相談ください。トーシンパートナーズは創業30年以上の実績とノウハウを持ち、首都圏に自社ブランドマンションを展開しております。

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      まとめ

      この記事では、マンション経営における初期費用やランニングコスト、また運用する上でのリスクや対処法などについて解説しました。長期安定収入を叶えためにも、マンション経営のリスクをきちんと理解し、適切な手段で運用を行いましょう。

      少しでもマンション経営にご興味をお持ちの方は、お気軽にトーシンパートナーズまでご連絡ください。