マンション経営は利回り安定感や節税効果など、さまざまなメリットがあります。一方で、発生しうるリスクを正しく把握できていないと想定外の損失を受けることがあります。マンション経営で長期的に成果を上げるには、必要な業務と発生しうるリスクを正しく理解する必要があります。
この記事では、マンション経営で成果を上げられる物件の選び方や、前もって知っておくべき知識を詳しく解説します。上手く収益を上げられない人の共通点も併せて紹介しているので、正しい知識を習得してマンション経営で成功を収めましょう。
資産運用を行う上で、マンション経営はポピュラーな方法のひとつです。ここからは、マンション経営をおすすめする3つの理由をそれぞれ紹介していきます。
マンション経営は比較的に利回りが高く、資産形成を図りやすいため年金対策の方法として人気があります。東証一部上場企業の株式の利回りは平均1~2%と言われています。一方で、マンションの期待利回りはそれを上回ることも多くなっています。マンション経営を適切に行えば、年金不安への長期的な対策として有効です。
投資用マンションの中には、条件しだいで自己資金が無くてもローンが組める物件や、初期費用を少額に抑えられる方法もあります。特にワンルーム・コンパクトマンションの場合、マンションの一室を購入する区分所有あれば初期費用を抑えてマンション経営を始められます。
用意できる自己資金額によって運用プランを複数検討し、低リスクで実践しやすい投資方法を選べることがマンション経営の特徴です。例えば投資を始める際に自己資金の割合を高くすることで、ローンや借入金の返済額を少なくできるというメリットがあります。
不動産を保有すると、毎年の会計処理として減価償却費が計上されます。減価償却費は支出として計上されますが、実際に支払う必要はない支出項目です。つまり、毎年の収入から減価償却費が差し引かれるため課税額を減らすことができます。結果として節税できるというメリットがあります。
相続税対策としても、有効な場合があります。投資用マンションの相続は現金の相続と比べて、相続税評価額が低くなります。また土地を相続する場合でも、土地の上に賃貸マンションを建築することで、土地の相続税評価額は低くなるという仕組みがあります。
課税対象となる金額が低くなるので、相続税の節税対策としてマンションを購入、あるいは建築することはおすすめできる方法です。
マンション経営によって収益を上げるには、購入する物件の立地や金額、運用方針などを考慮することが重要なポイントになります。ここからは、マンション経営を行う上で重要になる5つのポイントを具体的に解説していきます。
物件の価値、入居率といった要素は立地の良さによって決まります。物件の価値が高いエリアは賃貸需要が高く、例えば駅に近い物件ほど入居率が高い傾向があります。つまり駅前のような立地が良い物件の購入金額は高くなりやすいと言えますが、適切に管理運営していれば入居率を維持しやすいメリットがあります。仮に退去が発生した場合でも、人気物件であれば次の入居者が決まりやすく、空室リスクを抑えやすいというメリットもあります。
一方、周囲に商業施設などがなく生活のしづらい場所や、駅から離れているなど交通の便が悪い立地の立地のマンションは賃貸需要が低くなります。賃貸需要が低ければ、入居率も低くなり、空室リスクが大きくなります。マンション経営という中長期の資産運用です。空室が続けば続くほど収益が減ってしまうため、立地の見極めは重要になります。
賃貸マンションであれば何でも良いかというとそういうわけではありません。立地条件によって賃貸ニーズが異なるため、賃貸ニーズが高い間取りの物件を選ぶことで空室リスクを避けられます。単身者は住まい選びの際に住環境よりも通勤・通学のしやすさや、近くに商業施設が多くあるなど利便性を重視する傾向があります。就職、転勤、結婚など理由は様々ですが、いずれにせよ一時的にしか住まず、住まい選びの基準も自分以外に配慮する人がいないため生活に便利でありさえすれば良いという意識があるからです。そういった場所は単身者向けのワンルーム・コンパクトマンションの需要が高くなります。逆に小さな子供がいる家庭にとっては、駅前のにぎやかな場所よりも安全で静かな場所が好まれるでしょう。公園が近く、遊興施設や危険な場所から遠いなど利便性よりも住環境を重視する傾向があります。そういった立地であればファミリータイプのマンションのニーズは高くなります。しかし家族世帯にとって、住居は賃貸ではなく購入という選択肢もあります。ファミリータイプの物件はニーズがあっても賃貸できなければマンション経営は成立しないため、注意が必要です。
築年数が浅い物件ほど外装や設備が新しく、設備の保守管理にかかる費用は築年数の古い物件よりも抑えられるでしょう。また将来的に売却する際も築年数が経過していない物件の方が、買い手が見つかりやすい傾向にあります。
加えて、物件の構造によって異なる法定耐用年数もかかわってきます。法定耐用年数は木造で22年、鉄筋コンクリート造で47年となっていることから、長期運用を考えている物件であるほど築年数を重視して選ぶことが重要になります。
築年数が浅いことによる経済面でのメリットとして、減価償却費を長期間にわたって計上できることが挙げられます。不動産の減価償却費は、建物部分と設備部分の2種類があり、設備は15年で償却されてしまうため16年目以降は建物部分に対してのみ減価償却費が発生するというシステムになっています。つまり、築年数が15年未満の物件を選ぶことで計上できる減価償却費を増やすことができ、節税効果を得やすくなります。
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マンション経営で収益を上げるポイントとして、マンションの販売価格や金融機関からの借入金利が安くなっている時期に購入する方法が挙げられます。販売価格が安い時期に購入することで利回りが高くなるほか、価格が上がったタイミングで売却することで確実に収益を得られるというメリットがあります。
近年は投資用マンションの価格が上昇傾向にあり、価格だけで購入時期を判断することが難しいというのが現状です。不動産経済研究所が2020年8月に発表したデータによると、2020年1月~6月における投資用マンションの平均価格は3,172万円で前年比4.1%増となっています。
2021年に開催が予定されている東京五輪、2022年における生産緑地法の期間満了など、不動産価格が大きく変動しうる出来事は今後数年で複数見られます。
一方で、金融機関からの借入金利は史上最低水準で推移しています。マンション経営は長期運用が前提となるため、ほんの数%の金利差で収益に大きく影響します。販売価格=投資金額が高くなっても融資を受けられる物件を選択すれば投資資金の調達コストを限りなく小さく抑えながら、ローンに付随する団体信用生命保険の効果を最大限に活かすなど低金利ならではの戦略をとる投資家も数多くいます。
マンション経営で失敗するリスクを軽減したい場合、できるだけ自己資金を増やしてからマンション経営に着手する方法があります。金融機関から融資を受ける金額を少なくすることで、毎月の返済やローン支払いにかかる金額を安く抑えられ、また突発的な修繕などの出費に対しても備えられるため精神的に落ち着いた状況でマンション経営ができることが自己資金を増やすメリットです。
一方、借入金の割合が大きいと毎月の支払額が多くなります。入居者が引っ越した場合は家賃収入が途切れるので、ローンの支払いに家賃収入を充てることができず、持ち出し金額が大きくなってしまうことも考えられます。ただし前述の通り低金利で借入できていれば収支バランスを取りやすいので、必ずしも自己資金がなければ始めてはいけないわけではありません。スタートのタイミングも非常に重要なため、良い物件に巡りあった場合は、自己資金を増やすことを優先せず、スタートしてから少しずつ増やすという方法もあります。
マンション経営は安定性が高い投資方法のひとつです。しかし充分な収入を得られない人は、事前知識や運用方法などに問題がある場合があります。ここからは、マンション経営で失敗する人に共通している3つの要素を解説します。
マンション経営によって収益を上げるには、購入するマンションの立地、入居者の特徴や傾向といった情報を収集する過程が欠かせません。購入時点では賃貸需要が高くても、周囲に競合の新しい物件がたくさん建ってしまい、入室率が下がることは珍しくない話です。マンションを建てられる土地が多いのか少ないのか、建築規制の有無などは将来の賃貸需要に直接かかわるため確認する必要があります。
間取りに関しても、住民の年代や家族構成といった顧客属性に応じて人気がある間取りは異なってきます。第一に単身世帯と家族世帯では必要となる部屋数が違いますし、特に女性はバストイレが別になっている部屋や洋服やカバン、靴を多く収納できるような間取りを好む傾向があります。
検討エリアにどのような人が多いのか把握することが必要ですが、そこまで配慮せずに表面的な情報にだけ頼ってしまって失敗する方は多くいらっしゃいます。
マンション経営によって収益を上げるには、物件の利回り、家賃の相場、必要となる支払いなどは最低限把握しておく必要があります。立地が良い物件でも、適切な家賃設定や保守管理などを行わなければ、継続的に収益を上げることは困難です。ただし専門的な知識を全て身に着ける必要はありません。特に管理に関しては自社物件を販売・管理をするディベロッパーや、管理戸数が多い会社に依頼することで自分自身に知識がなくとも安心してマンション経営を行うことができます。
人口増加率や住民の平均年齢など、マンションの入室率に影響を与える要素は多数あります。さらに購入後から時間が経つにつれて状況は変化するので、先を完璧に見通すことは難しく、時には運用方針を柔軟に変えていくことが必要になります。そこで重要になるのが運用シミュレーションです。とは言っても複雑なシミュレーションは必要ありません。複雑且つコントロール不可能な外的要因のことをあれこれ考えるのではなく、購入物件に良い影響が起こった場合や、逆にリスクが大きくなった場合にどのような対処をするのかあらかじめ想定しておくだけでもメリットを最大化し、損失を最小限に留められる可能性が高まります。
マンション経営で失敗する人の多くは、利回りの高さや購入時点における賃貸需要のみを重視する傾向があります。実際には家賃を過度に下げて入室率を維持していたり、購入後すぐにメンテナンスが必要だったりする物件は少なからずあるものです。周辺の家賃相場、競合となる物件の仕様や設備などを確認するといったことをせずに購入を決め、採算性に問題がある物件を保有してしまうというのはよくある失敗例です。
マンションを購入する際には充分に下調べをしたうえで、購入者自身で物件の質を判断できるように知識を持っておくことは武器になります。ただし個人だけで判断するのではなく、マンション経営の専門家に意見を聞くなど複数の視点から評価することでより良い物件選びが可能となります。
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ここからは、マンション経営を始めるにあたって必要な書類や、業務に関する知識を紹介、解説します。
マンション経営を開始するまでには、様々なステップがあります。一般的には、不動産会社の選定・購入する物件のリサーチ・運用シミュレーション・各種手続きのための書類をそろえるといった複数のステップを踏む必要がありますが、始めやすいことから始めるのがおすすめです。
マンション経営の経験がない方はマンション経営を支援する会社に問い合わせることが一番の近道です。物件の紹介、選定時のアドバイス、運用プランの提案、購入に必要な手続きのサポートなど必要なプロセスを一通りサービスとして受けられます。すべてのことを自分自身だけで実行することが難しい方にとっては必要不可欠な存在と言えるでしょう。特に金融機関から融資を受ける場合は、本来金融機関に事業計画書を提出して融資を申し込むなど複雑な手続きが必要ですが、不動産会社によっては金融機関と提携している企業もあり、資金調達の大幅なショートカットが可能です。
マンション経営には、固定資産税や都市計画税といった税金、設備の修繕費や損害保険料など、さまざまな経費が必要です。また管理会社に管理を委託する場合は管理委託料も経費として計上できます。
経費となる支出項目を正しく把握、計上することは不要な税金を支払うリスクを避けるために必須です。経費を計上する際には、領収書を手元に保管し、支出額や支出内容を出金伝票に書き留めておくと安心です。出金伝票と領収書は確定申告の際に資料として扱える場合があり、経費として認定されやすくなるというメリットがあります。ただし、マンション経営と無関係な支出は経費としてもちろん認められず、支払った時期や金額によっては経費扱いにできない支出項目もあります。マンション経営の経費に関して細かく把握、計上したい場合、不動産会社に相談することをおすすめします。
天災による物件の損壊や入居者からのクレームなど、マンション経営にはさまざまなトラブルが起こることを想定しておく必要があります。トラブルに対して適切な対応が行えないと、空室や家賃低下などのリスクにつながるからです。リスクに適切に対応するには、専門知識を持った不動産業者に管理を委託したり、いざという時のために資金を貯めておいたりするなどの対策をとることがポイントです。
安定したマンション経営を行うために、豊富な実績を持つ不動産会社に相談することは有効な手段です。
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マンション経営を成功に導くには、物件の立地や家賃相場などをリサーチした上で、適切な運用シミュレーションを行う必要があります。マンションを購入した後にも管理や修繕などで経費はかかるものです。また継続的な情報収集と適切な保守管理が不可欠であるなど、考慮するべきことは多岐にわたります。信用できる不動産会社をお探しの方は、トーシンパートナーズまでぜひお問い合わせください。