どの銀行の不動産投資ローンがおすすめなのか、銀行によっての違いや審査で重視されるポイントなどについて、気になっている人も多いのではないでしょうか。各銀行の不動産投資ローンの特徴を知っていると、自分に合ったローンを見極めることができます。また、審査で重視されるポイントを把握していれば、対策を講じることが可能です。ここでは、不動産投資ローンを組むに当たってのおすすめの銀行、審査で重視されるポイントなどについて解説します。
不動産投資ローンは、「アパートローン」「プロパーローン」の2種類に分けられます。アパートローンは、個人向けの融資商品であり、プロパーローンは事業者向けのオーダーメイド型のローンです。それぞれの特徴や違いを知ると、自分に合った不動産投資ローンを見極めることができます。ここでは、アパートローンとプロパーローンの特徴や違いについて、見ていきましょう。
「アパートローン」とは、アパートやマンションなどの投資用物件を購入・建築・リフォームなどを行う際に利用できるローンのことです。アパートに住むためのローンではなく、アパートやマンションを経営するためのローンです。
アパートローンは、メガバンク、地方銀行、信用金庫、JAバンクなど、多くの金融機関が取り扱っています。アパートローンの審査では、物件の収益性や担保評価などが見られます。融資金額の上限や返済期間などの条件は決まっており、審査スピードが早いです。個人向けの融資商品であるアパートローンは、事業者向けでオーダーメイド型のプロパーローンとは、特徴が異なります。
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「プロパーローン」とは、金融機関が独自に調達した資金を、独自の審査基準で貸し出すローンのことです。プロパーローンは、金融機関が保証会社を介さず、リスクを負って貸し出します。
プロパーローンは、アパートローンのように商品化されておらず、融資金額、返済期間、返済方法、金利などの条件に明確な基準はなく、個別に判断され、融資金額に上限がありません。金融機関は、アパートローンよりもリスクを負うことになるため、審査のハードルが高い傾向にあります。また、審査時間は、長くなりがちです。一般的に、プロパーローンは、事業者向けであるため、個人で利用することはできません。
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不動産投資ローンは、慎重に選ぶことが重要です。借入金額が大きく、返済期間が長いため、金利が1%違うだけでも月々の返済額や総返済額が大きく変わります。例えば、借入金額5,000万円で返済期間が30年、元利均等で、固定金利が「1.5%」の場合と「2.5%」の場合の返済額は、以下の通りです。
| 月々の返済額 | 総返済額 | |
| 金利1.5％ | 17万2,560円 | 6,212万1,428円 |
| 金利2.5％ | 19万7,560円 | 7,112万1,573円 |
金利が1%上がると、月々の返済額は2万5,000円、総返済額は約900万円も増えます。金利の低い不動産投資ローンを選ぶと、返済負担を抑えられます。ただし、「低金利であれば絶対に良い」というわけではありません。金融機関によって特徴が異なるため、メリット・デメリットを把握した上で総合的に判断することが大切です。
不動産投資ローンの金利は、金融機関によって異なります。それぞれの金利相場は、次の通りです。
| 金融機関 | 金利相場 |
|---|---|
| メガバンク・都市銀行 | 1%〜2%前後 |
| 地方銀行 | 1.5%〜4.5%前後 |
| 信用金庫・信用組合 | 2%〜3%前後 |
| 日本政策金融公庫 | 1%〜2%前後 |
| ノンバンク | 3%〜4%前後 |
金利が低いのは、メガバンク・都市銀行、日本政策金融公庫となります。金利が高いのは、信販会社などのノンバンクとなります。金利相場を理解していると、金利が低く、利息負担の少ない不動産投資ローンを選びやすくなります。
ここでは、不動産投資のローンを組むにあたっておすすめの銀行10選について紹介します。おすすめの銀行および不動産投資ローンを知ることで、自分に合ったローンを見つけやすくなります。おすすめの銀行10行の借入可能金額、金利、借入期間一覧は、以下の通りです。それぞれの不動産投資ローンの特徴について、見ていきましょう。
| 金融機関 | 借入可能金額 | 金利 | 借入期間 |
|---|---|---|---|
| ジャックス※ | 提携先等を確認 | 1.6%〜3.0%程度 | 提携先等を確認 |
| オリックス銀行 | 1,000万円〜2億円以内 | 固定金利：2.3%〜3.5% 変動金利：2.675%〜3.675% | 最長35年 |
| ソニー銀行 | 提携先等を確認 | 1.5%〜2.5%程度 | 提携先等を確認 |
| イオン住宅ローンサービス | 3,000万円以内 | 変動金利：1.8%〜1.992% ※2021年8月時点 | 最長35年 |
| auじぶん銀行 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 |
| 関西みらい銀行 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 |
| リコーリース※ | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 |
| 東京スター銀行 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 | 提携先等を確認 |
| りそな銀行 | 100万円以上3億円以内 | 提携先等を確認 | 最長30年 |
| みずほ銀行 | 50万円以上5億円以内 | – | 最長35年 |
ジャックスは、ソニー銀行、auじぶん銀行、イオン銀行、損保会社など、多くの金融機関と提携しており、ジャックスの保証を取り扱う金融機関によって条件が異なります。金利の目安は、1.6%〜3.0%です。投資用マンションに特化しており、資金需要にスピーディーに対応しています。詳細は、提携金融機関や不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：ジャックス
オリックス銀行の不動産投資ローンがおすすめの理由としては、次のようなものが挙げられます。
オリックス銀行の不動産投資ローンは、1,000万円以上2億円以下の借り入れが可能です。団体信用生命保険は、以下の3種類から自分に合ったものを選択できます。他行の口座を引き落とし口座として指定できるため、「ローンを利用するために口座を開設したくない」といった人も安心です。
※健康状態によっては利用できない場合があります
公式サイト：オリックス銀行
ソニー銀行は、住宅ローン、カードローン、不動産投資ローンなど、さまざまなローンを取り扱っています。金利は、1.5%〜2.5%程度です。知名度が高く、母体となるソニーグループの規模が大きいことから人気があります。不動産投資ローンの詳細については、ソニー銀行、提携不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：ソニー銀行
イオン住宅ローンサービスの不動産投資ローン「マンションオーナーズローン」は、最大3,000万円（10万円単位）の借り入れが可能です。返済期間は最長35年で、金利タイプは変動金利です。
満25歳以上55歳以下、前年度の給与収入が550万円以上、勤続年数が2年以上の人で、以下の物件条件を満たす場合に利用することができます。運営母体がイオングループで規模が大きいため、安心感があります。
公式サイト：イオン住宅ローンサービス
auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立した金融機関であり、住宅ローンやカードローンなども取り扱っております。アプリやWebサイトの使いやすさなどに定評があります。不動産投資ローンの詳細については、auじぶん銀行、提携不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：auじぶん銀行
関西アーバン銀行と近畿大阪銀行が合併して誕生した関西みらい銀行は、関西を中心に多くの店舗を展開しています。関西みらい銀行の営業区域内に居住している場合は、不動産投資ローンの利用が可能です。不動産投資ローンの詳細については、関西みらい銀行、提携不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：関西みらい銀行
リコーリースは、グループおよび取引先社員向けの多目的ローン、大規模修繕工事などに対応できるマンション管理組合向けローンなどを取り扱っています。また、アセットファイナンスを中心とした企業向けファイナンスサービスを提供しています。不動産投資ローンの詳細については、リコーリース、提携不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：リコーリース
東京スター銀行は、リバースモーゲージ、不動産担保ローン、住宅ローン、おまとめローン、カードローンなど、さまざまなローン商品を取り扱っています。不動産担保ローンは、融資限度額が最大1億円です。不動産投資ローンの詳細については、東京スター銀行、提携不動産会社に問い合わせてみましょう。
公式サイト：東京スター銀行
りそな銀行は、「オーダーメイド型」と「自宅併用型」の不動産投資ローン「りそなアパート・マンションローン」を提供しています。ニーズに合わせて柔軟な対応が可能な「オーダーメイド型」は、100万円以上3億円以内（1万円単位）の借り入れが可能です。借入期間は、最長30年間で「固定金利」と「変動金利タイプ」を選択できます。「自宅併用型」は、借入金額が100万円以上2億円以内（1万円以内）で、返済期間は最長30年間です。前年の税込年収が100万円以上の人を対象としています。どちらのローンも借入金額が大きいため、高額な物件にも対応できます。
公式サイト：りそな銀行
みずほ銀行は、不動産投資ローン「アパートローン」を取り扱っています。アパート・マンションの購入資金、建築資金などに利用でき、20歳以上で、前年度年収が200万円以上の人が申し込めます。借入金額は50万円以上5億円以内（1万円単位）で、借入期間は最長35年です。メガバンクが運営しているため、安心感があり、最高5億円借り入れられることから、高額な物件を購入する際にも対応できます。団体信用生命保険は希望制で、希望する場合は金利に年率0.3%が上乗せされます。
公式サイト：みずほ銀行
不動産投資ローンの審査の際に、銀行から重視されるポイントを知っていると、対策を講じやすくなります。なるべく早い段階で把握しておくことが大切です。ここでは、ローンの審査をする際に銀行から重視されるポイントについて紹介します。一つずつ、確認していきましょう。
| 【ローン審査時に重視されるポイント】 |
|---|
| ・債権者の信用力 |
| ・所持金融資産の額 |
| ・対象物件の価値 |
不動産投資ローンの審査では、債権者（申込者）の信用力が重視されます。信用力のある債権者は、貸し倒れリスクが低くなるためです。空室が発生して家賃収入が滞ったとしても、給与や貯蓄などからローンを返済できます。信用力は、次のような属性情報によって決まります。
例えば、年収は「少ない」よりも「多い」、「不安定」よりも「安定」している方が、評価が高い傾向にあります。また、勤続年数は「短い」よりも「長い」、他社借り入れは「多い」よりも「少ない」方が審査に有利です。ただし、銀行によっては、「年収◯◯万円以上」などといった形で、年収の最低ラインを決めているところもあります。
不動産投資ローンの審査では、「自己資金がどれだけあるのか」についても、重要なポイントです。自己資金が多いと、ローンの借入金額が少なくなるため、「貸し倒れリスクが低い」「自己資金を貯める余裕がある」と評価されます。反対に、自己資金が少なく、借入金額が多いときは、「貸し倒れリスクが高い」「自己資金を貯める余裕がない」と評価され、審査が不利になる場合があります。自己資金0円で利用できるフルローンなどもあるため、「自己資金がないと審査に通らない」というわけではありません。しかし、自己資金はあった方が、銀行からの評価が高くなります。
不動産投資ローンの審査をする際には、物件の価値も銀行から重視されるポイントです。申込者のローン返済が困難になった場合、銀行は担保となる物件を売却し、資金回収を図ります。そのため、「物件の担保評価額はどれくらいあるのか」について、必ず調査を行います。担保評価額が低ければ、たとえ申込者の属性が良くてもローンの審査に落ちる可能性があるため、注意が必要です。逆に、属性がそれほど良くなかったとしても、物件の価値が高ければ審査に通る場合があります。不動産投資ローンの審査における物件の価値は、非常に重要であることを覚えておきましょう。
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ここでは、不動産投資のローンを組むに当たって、おすすめの銀行や審査で重視されるポイントについて解説しました。各銀行によって、不動産投資ローンの特徴は異なるため、複数のローンを比較し、自分の条件に合ったところを選ぶことが大切です。また、審査で重視されるポイントについて把握し、可能な限り対策を講じて審査を受けましょう。不動産投資を始める予定のある人は、ここで紹介したおすすめのローンなどをぜひ参考にしてください。
