不動産投資を行うには、不動産取引をはじめ投資、賃貸管理、税制・法制など幅広い分野の知識やノウハウが求められます。専門的な業務はそれぞれのプロがサポートしてくれますが、トラブルやリスクに直面したときに最終的な判断をするのはオーナーである投資家自身です。判断を誤らないためには、投資家も一定の知識を身に付けておくことが必要です。
そこでこの記事では、投資家が必要な知識やノウハウを身に付けるための効果的な勉強方法を紹介します。
不動産投資に関する勉強方法は、ひとつの決まった形があるわけではありません。Webサイトや書籍、セミナーなどそれぞれの方法が持つメリット・デメリットを把握し、自分に合った勉強方法を見つけましょう。そのうえで、特長をうまく組み合わせると、より効率的に幅広い知識を身に付けられます。
インターネットには不動産投資に関するさまざまな情報があり、ほとんどが無料で閲覧できます。手軽にアクセスでき費用もかからないので、初心者が勉強を始める第一歩としてはうってつけです。スマートフォンやタブレットがあれば、場所を選ばず空き時間を使って勉強できるのもメリットでしょう。
不動産投資で成功するには、税制・法制や金融の経済動向など、さまざまな知識が必要です。専門サイトだけでなく、こうした関連情報についても併せて学んでおくことをおすすめします。
物件や制度に関する情報は、インターネットの公式サイトに掲載する前に、ブログやSNSで発信される傾向があります。最新の情報を手に入れたい場合は、ブログやSNSもチェックしておくといいでしょう。
また、投資家のブログやSNSでは、投資に関する考え方、情報収集や物件選びのコツなどを知ることができます。「座学での勉強はどうも苦手」という方にとっては、経験者の実践的な投資術から学んでいくのもひとつの方法でしょう。
インターネットは手軽に使えますが、得られる知識が断片的になりがちです。不動産投資ではさまざま税制・法制が関係してくるため、断片的な知識だけでは判断を誤る可能性が高くなります。体系的な知識を身に付けるためには、本を使って学ぶのが効果的です。他の勉強方法と併用するといいでしょう。
初心者向けからプロ並みの上級者向けまで、さまざまな切り口の本が出版されているので、自分の投資目的や関心、知識レベルに合ったものを選ぶのがポイントです。
セミナーに参加する最大のメリットは、専門家や不動産投資の経験者から実践的な情報や新たな視点を学べることです。セミナーに参加する場合には、実務経験のある専門家や実戦経験が豊富な不動産投資家が講師を務めるものを選ぶことが大切です。
また、インターネットや本だけを利用していると、知らないうちに集める情報や身に付ける知識が偏ってしまう可能性があります。最近はインターネットを利用したセミナーも増えており、わざわざ遠くの会場まで足を運ばなくても参加できるので、自分の身に付けた知識などを確認する意味でも、セミナーに参加することは有効でしょう。
本やセミナーを通じて、不動産投資を実践している人の考え方や体験を学ぶことも重要ですが、直接会って話すことで物件選びや売買交渉、資金繰りなどのより具体的なアドバイスをもらえる可能性があります。
身近に経験者がいなくても、セミナーなどに参加すれば知り合うきっかけができます。また、インターネットやSNSなどを使って自分に合いそうな人を探し、問い合わせてみるのもひとつの方法です。
最新の物件相場や市場動向を知りたい場合には、投資用物件を扱っている不動産会社の話を聞くのが早道です。今はわざわざ足を運ばずともオンラインミーティングで気軽に相談できます。疑問があれば解消するまで付き合ってくれるはずです。
また、不動産会社に相談すれば、自己資金や収入などの状況から、どれくらいの融資を受けられるのかといったことも教えてくれます。自分の資金調達能力を確認しておくことで、物件の絞り込みなどがしやすくなります。
初めて不動産投資をする人には、自分の目で物件を確認することをおすすめします。立地や間取り、使い勝手などの良し悪しは、実際の物件を見た方が判断しやすいからです。例えば、「幹線道路や線路から離れているのに、地形などの問題で考えていた以上に騒音が気になる」といったことがあります。
見学する際には、物件だけでなく住んでいる人や周辺環境をチェックすることも欠かせません。想定したような人が住んでいるか、建物全体の使われ方はどうなっているか、買い物など日常生活に必要な環境が整っているかなどは、実際の家賃や入居率に大きく影響します。
具体的な候補を決める前にできるだけ多くの物件を見て、「良し悪しを判断する目」を養うことをおすすめします。
先に体系的に知識を身に付ける方法として本の利用を説明しましたが、別の方法として方法として不動産投資に関連する資格取得のために勉強することが挙げられます。いずれの資格も専門的な知識を体系的に身に付けていないと試験に合格できません。
「何もそこまでしなくても」と思う方もいることでしょう。しかし、合格率の低い国家資格を取得しておけば副業のために活用できます。将来的に不動産投資をメインにする生活設計を考えている方などにはメリットがあるでしょう。
先にも説明したように、インターネットは不動産投資に関する情報を収集するのに便利なツールです。ただし、誰でも情報を発信できるので、間違った情報や根拠のない記述が含まれている可能性もあるため、信頼できるサイトを利用することが大切です。
サイトの信頼性を見極めるひとつのポイントは、データや税金・法律などの制度に関する説明です。データの出典や引用先を明記しており、情報の掲載時点で最新であることが確認できるサイトは信頼性が高いと言えます。
前の項目で勉強方法として、「不動産投資に関する資格の取得」を紹介しました。不動産投資に関する資格はいくつもありますが、ここでは仕事にも使える資格を5つ選び、その内容や試験の難易度などを説明します。
宅地建物取引士(宅建士)は、宅地建物取引業法(宅建業法)に定められている国家資格です。「不動産取引のスペシャリスト」の証しとも言え、宅地建物取引士にしかできない業務(独占業務)があります。その1つが不動産取引の契約前に行う「重要事項説明」です。このため宅建業法は、事業所ごとに5人に1人以上の割合で宅地建物取引士を置くことを義務付けています。
合格率は例年10%台後半で推移しており、難関資格と言えます。体系的な専門知識が求められるため、合格者の多くが専門学校や通信講座を利用しています。
マンション管理士は、国土交通省管轄の国家資格です。管理組合の運営、大規模修繕の計画立案など、マンションの管理組合に対するサポートを主な業務とします。今後、老朽化するマンションがさらに増える中で、国家資格を持つ「マンション管理のスペシャリスト」に対する需要は高まっていくと考えられます。
試験に合格しても、公益財団法人マンション管理センターに登録をしないと「マンション管理士」と名乗ることはできません(名称独占資格)。その一方で、実務経験などは必要ないことから、リタイア後に備えるシニア層の受験者が多いのも特徴です。合格率は例年10%以下で、かなりの難関資格と言えます。
不動産鑑定士は、弁護士・公認会計士と並ぶ三大国家資格の1つです。鑑定評価業務は、不動産鑑定士でなければできない独占業務ですが、有資格者は全国で約8,000人にすぎません。鑑定評価業務は、国・都道府県が依頼主である「公的評価」と企業や個人が依頼主である「民間評価」に分けられます。
鑑定評価は、不動産に関する税金を算出するベース(地価公示、相続税路線価など)や不動産取引(売買・担保・賃貸)、相続などのためだけに使われているわけではありません。M&A(企業の買収・合併)や不動産証券化(REIT)をする際の資産評価などにも利用されています。試験は2段階の選抜式で、1段階目の「短答式試験」の合格率は30%前後、2段階目の「論文式試験」の合格率は15%前後ですから、最終的な合格率は5%前後にすぎません。
不動産実務検定は、一般財団法人 日本不動産コミュニティー(J-REC)が認定する不動産投資の専門資格です。不動産運用に関係する実践的な知識を体系的に網羅しており、資格は3段階に分かれています。
2級は主に賃貸管理運営に関する知識や技能、1級は不動産投資および土地活用に関する知識や技能、マスター資格は不動産運用設計に関する専門的・実務的な知識や技能、という内容です。また、マスター合格者にはJ-RECより「J-REC公認不動産コンサルタント」の資格が与えられ、所定の審査を受けると認定講座を開講できます。
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士とは、主ファイナンシャルプランニング関連のサービスを行うための国家資格(技能検定)です。3級、2級、1級の3つの等級に分かれたFP技能検定(学科試験と実技試験)を受け、合格すると等級ごとにFP技能士(例えば1級FP技能士)を名乗ることができます。
合格するには、貯蓄、投資、保険、年金、税金、相続などの知識が必要です。資産の運用プランやリスク管理などに関する総合的な知識を身に付けておけば、不動産投資でも活用できます。
基礎的な知識が求められる3級の合格率は70%~80%程度ですが、仕事に役立つレベルとされる2級になると合格率40%~50%程度と難易度が上がります。
ここでは、実績・経験ともに豊富な不動産投資家・実務家が書いた、不動産投資を行うために参考となる本を紹介します。実務家や投資家の経験や実践的なノウハウを学ぶことは、不動産投資のリスクを抑えるために有効な手段となるでしょう。
著者は、不動産鑑定士で大手不動産会社での勤務経験もある、不動産実務のベテランです。契約までの流れから購入後の空室対策まで、不動産投資の基本的な内容を押さえつつ、「物件選び」「儲ける仕組み」などに焦点を当てているのが特徴です。Q&A形式でわかりやすく解説しているため、初心者にもおすすめです
著者:浅井佐知子
定価:1,738円(税込)
出版社 : ソーテック社
著者は不動産投資にも精通した税理士で、不動産取引を「購入・取得」「保有・賃貸」「譲渡」「相続・贈与」という状況に分け税金について解説しているのが特徴です。シーンごとに関連する税金について簡潔にまとめているので、税の知識があまりない人でも読みやすいでしょう。興味に応じて必要な部分だけを読むという使い方もできます。
著者:吉澤大
定価:1,650円(税込)
出版社 : かんき出版
月5万円の内職生活を送っていた専業主婦が、年収1億円の不動産オーナーになるまでの体験記です。発行年(2007年)は古いものの、不動産オーナーとしての心構えや主婦(=入居者)目線で考えることの重要さ、交渉術などは、これから不動産投資を始める人に参考になるでしょう。
著者:鈴木ゆり子
定価:1,650円(税込)
出版社 : ダイヤモンド社
大手メーカーに勤めるサラリーマンだった著者が、自ら実践してきた区分マンション投資について、融資の受け方や手元に資金を残すためのポイントなどを解説しています。特にレバレッジ効果について詳しく説明しているので、融資を利用して物件数を増やしたい人には参考になるでしょう。
著者:高野智弘
定価:1,760円(税込)
出版社 : すばる舎
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不動産投資に関する勉強は、インターネットなどを活用して効率的に行うことがポイントです。多額の資金を使う不動産投資に失敗しないためにも、トラブルやリスクに直面したときの判断を誤らないよう、オーナーである投資家自身が、投資や賃貸管理などに関する知識やノウハウをしっかり身に付けておきましょう。
オーナーの負担を小さくする意味でも、トラブルやリスクを事前に回避できる体制を築いておくことが大切です。そのためには、日常的な管理業務などを委託する不動産会社・管理会社との緊密な連携が欠かせません。豊富な経験と実績を持つトーシンパートナーズはら、オーナー様を徹底的にサポートいたしますので、安心してお任せください。