早期リタイアや老後の生活資金のために、月30万円の不労所得を得たいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、現実的に月30万円の不労所得を得られるのか、どのような投資手法が適しているのかと、疑問も多いはずです。
そこでこの記事では、現実的に不労所得を得る方法を解説します。毎月30万円を不労所得で作るために必要な投資金額や注意点を把握して、生活に十分な不労所得の獲得を目指しましょう。
不労所得で生活費を稼ぐのは難しいと思われがちですが、月30万円の不労所得を得ることは可能です。
以下の表に、想定した利回りで不労所得を得るために必要な投資金額の目安をまとめました。
【不労所得・利回り別】投資金額の目安
不労所得(月額) | 利回り2.0%の場合 | 利回り3.0%の場合 | 利回り5.0%の場合 |
---|---|---|---|
1万円 | 600万円 | 400万円 | 240万円 |
3万円 | 1,800万円 | 1,200万円 | 720万円 |
5万円 | 3,000万円 | 2,000万円 | 1,200万円 |
10万円 | 6,000万円 | 4,000万円 | 2,400万円 |
20万円 | 1億2,000万円 | 8,000万円 | 4,800万円 |
30万円 | 1億8,000万円 | 1億2,000万円 | 7,200万円 |
50万円 | 3億円 | 2億円 | 1億2,000万円 |
例えば利回りが3.0%の投資をした場合、毎月30万円の不労所得を得るためには1億2,000万円の資金が必要です。一方、利回り5.0%なら、7,200万円の資金があれば毎月30万円の収入になります。
投資リスクを考えなければ、利回りが高い商品に、多くの金額を投資するほど得られる不労所得の金額も増えます。十分な資金があれば、毎月20万円や30万円など、まとまった金額を稼ぐことも可能です。
不労所得で毎月20万円や30万円などのまとまった金額を稼げたとしても、脱サラして不労所得だけで生活するのは現実的ではありません。
なぜなら、資産運用では、必ず毎月決まった金額の収入を得られるとは限らないためです。社会情勢や金融市場の動きにより、稼げる時もあれば損をする時もあります。生活費を資産運用だけに頼るのはリスクが大きいといえます。
また、毎月の生活費だけでなく年間でかかる税金や臨時的な出費を考えると、毎月30万円の不労所得では足りない場合もあるでしょう。
総務省の2022年家計調査報告書家計収入編によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり月額290,865円です。つまり、毎月30万円の収入だと、ギリギリの水準であるとわかります。
脱サラをして不労所得だけで生活するには、現実的に毎月35~40万円程度の収入が必要でしょう。
ただし、前述の消費支出はあくまで目安であるため、実際に毎月かかっている出費を計算し、いくら不労所得があれば赤字にならないかを検討することが重要です。
毎月30万円の不労所得を目指すには、主に以下の3つの方法があります。
それぞれの投資方法における、利回りの目安と月30万円稼ぐために必要な投資金額は以下のとおりです。
【投資方法別】利回りと月30万円の不労所得を稼ぐための投資金額の目安
投資方法 | 利回りの目安 | 投資金額の目安 |
---|---|---|
不動産投資 | 3~12%程度 | 約3,000~約1億2,000万円 |
株式投資 | 5~10%程度 | 約3,600~約7,200万円 |
投資信託 | 3~10%程度 | 約3,600~約1億2,000万円 |
上記以外の資産運用のひとつに債券による投資があります。債券を買うことにより国や企業にお金を貸し、貸している間は利息がもらえる手堅さがメリットの投資方法です。また、債券を発行している国または企業が債務不履行にならない限り、満期時に元本が返ってきます。
ただし、手堅い反面、上記3つの投資方法に比べ、利回りが低い傾向があります。2023年10月現在の個人向け国債は、変動金利10年型の利回りが0.5%です。債券だけで月30万円を稼ぐには7億2,000万円もの資金が必要です。
そのため、債券だけで毎月30万円の不労所得を得るのは現実的でないでしょう。リスクの少ない投資方法として債券を活用しながら、他の投資方法と併せて30万円の収入を目指すのがおすすめです。
その他の不労所得の作り方は以下の記事で詳しく解説しています。組み合わせを検討する際に参考にしてください。
参照:野村證券「個人向け国債」]
不動産投資とは、アパートやマンション、戸建などの不動産を購入し、賃貸に出したり売却したりして収入を得る投資方法です。
賃貸に出せば、毎月一定の賃料収入を得られます。また、一定期間賃貸に出したあとに売却すれば売却益を得ることも期待できるため、まとまった利益を得たい場合に魅力的な投資方法といえるでしょう。
不動産の利回りは、表面利回りと実質利回りの2種類に分けられます。
表面利回りは、以下の計算式で求められます。
● 表面利回り=(毎月の賃料×12ヵ月)÷不動産の購入額
不動産投資の平均利回りは、建物の種別や立地、築年数などにより異なります。ここで、建物の種別ごとに大まかな利回りの目安を見てみましょう。
不動産投資の利回りの相場
不動産の種類 | 利回りの相場 |
---|---|
区分マンション | 3.0%〜5.0%程度 |
一棟マンション | 8.0%程度 |
一棟アパート | 8.5%程度 |
一戸建て | 6.0%〜8.0%程度 |
以下に、月30万円稼ぐために必要な元手の目安を紹介します。
月30万円稼ぐための投資金額の目安 区分マンション:7,200~1億2,000万円 一棟マンション:4,500万円 一棟アパート:4,300万円 一戸建て:4,500~6,000万円 |
一棟アパートは利回りが高い傾向にあるため、比較的少ない投資金額で月30万円の不労所得が得られる可能性があります。立地や室内の状況が良ければ入居者の募集もしやすいため、長期的な投資に向いているといえるでしょう。逆に空室率が高ければ想定していたはずの収入が減ってしまい、当初期待した利回りを実現できなくなることにも注意が必要です。
そのため不動産の販売価格は立地や築年数、間取り、市況などにより変わるため、購入する時期や条件を見極めなければなりません。一般的に安く購入し高い賃料で貸し出せれば利回りは高くなりますが、購入価格と家賃収入とのバランスをきちんと考えることで、想定に近い利回りを稼げる可能性があがるでしょう。
次に、月30万円の不労所得を目指すのに不動産投資が向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。
不動産投資が向いている人 | 不動産投資が向いていない人 |
---|---|
・固定収入がある人 ・レバレッジをかけたい人 ・長期的な視点で考えられる人 ・決断力がある人 | ・固定収入がない人 ・知識を勉強する時間がない人 |
固定収入があればローンの審査に通りやすくなるため、レバレッジをかけることができ、効率良く不動産投資を始められます。
ただし、不動産投資には最低限の知識が必要であり、良い物件を見つけるには、常に物件の動向や市況をチェックする必要があります。人気の物件はすぐに売れてしまうため、良い物件と巡り合った際に、すぐ決断できる決断力も必要です。
株式投資は、企業が資金調達のために発行する株式を保有・売買することにより利益を出す投資方法です。
株式を安く買って高く売れば大きな利益が出せますが、不労所得として株式投資を行う場合は配当金による収入がメインになります。配当金とは、企業が稼いだ利益から株主に還元されるお金です。配当金の利回りは企業により異なります。
配当金を検討する際に注目するべきなのは、加重平均利回りです。加重平均利回りとは、時価総額に対する配当金総額の割合であり、平均の配当金額を平均の株価で割った単純平均利回りに上場株式数によるウェート付けをしたものです。
● 加重平均利回り=配当金総額÷時価総額×100(%)
配当金による収入は、短期的な売買よりリスクを抑えられますが、まとまった金額を投資する必要があります。目安として、加重平均利回りの相場を以下にまとめました。
株式投資の加重平均利回りの相場
市場の種類 | 加重平均利回りの相場 |
---|---|
プライム市場 | 2.15% |
スタンダード市場 | 2.06% |
グロース市場 | 0.26% |
上記の加重平均利回りにより、月30万円稼ぐために必要な資金がいくらになるか目安を紹介します。
月30万円稼ぐための投資金額の目安 プライム市場の場合:1億6,800万円 スタンダード市場の場合:1億7,500万円 グロース市場の場合:13億8,500万円 |
配当金は、利回りが低めであるため、月30万円の不労所得を得るためにはまとまった資金が必要です。また、配当金は毎月でなく年数回に分けて支給されるケースが多いため、毎月コンスタントに受け取るには、配当月が異なる銘柄を組み合わせる必要があります。
ここからは、月30万円の不労所得を目指すのに株式投資が向いている人と向いていない人の特徴を見てみましょう。
株式投資が向いている人 | 株式投資が向いていない人 |
---|---|
・すでにまとまった資金を持っている人 ・長期的にコツコツと増やしたい人 ・リスクがあっても大きなリターンを得たい人 | ・手元に資金がない人 ・短期間で収入を得たい人 |
配当金は株式の売却益と違い、コツコツと配当金を受け取る仕組みであるため、短期間で収入を得たい人には向いていません。
また、企業の業績が悪ければ配当金を受け取れない可能性があることを認識しておきましょう。
投資信託とは、投資家から集めた資金を投資のプロが代わりに運用する仕組みです。
複数の投資先に分散して投資できるため、リスクを抑えられるメリットがあります。また、プロが代わりに運用してくれるため、初心者でも始めやすい資産運用です。
毎月収入を受け取るには、企業の利益を分配金として配給する毎月分配型や予想分配金提示型という商品があります。
ただし、利益がない月は元本を取り崩して分配金が支払われるため、投資効率が悪化する点に注意しましょう。
以下の表では、投資信託のカテゴリー別に、純資産額の大きい主なファンドの5年間の平均利回りを紹介します。投資信託を検討する際の目安にしてください。
投資信託の利回りの相場
種類 | 利回りの相場 |
---|---|
国内株式型 | 7.54%【TOPIX連動型上場投信 『愛称 : NF・TOPIX ETF』】 |
海外株式型 | 15.8%【eMAXIS Slim米国株式(S&P500)】 |
国内債券型 | 0.33%【楽天証券「個人向け国債 固定5年(第151回)」 】2.10%【グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 】 |
海外債券型 | 2.10%【グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 】 |
国内REIT型 | 4.09%【ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)】 |
海外REIT型 | 9.90%【ダイワ・US-REIT(毎月決算)B為替H無 】 |
平均利回りは対象とする期間や時期により変化しますが、おおむね3~10%であることがわかります。
では、上記の平均利回りをもとに、月30万円稼ぐために必要な資金の目安を紹介します。
月30万円稼ぐための投資金額の目安 利回り3~10%の場合:約3,600~1億2,000万円 国内株式型7.54%の場合:約4,780万円 海外債券型2.10%の場合:約1億7,200万円 海外REIT型9.90%の場合:約3,640万円 |
投資信託も投資である以上、元本割れになるリスクがあるため、リスクとリターンのバランスを考えて投資しなければなりません。
月30万円の不労所得を目指すのに投資信託が向いている人・向いていない人の特徴は以下のとおりです。
投資信託が向いている人 | 投資信託が向いていない人 |
---|---|
・すでにまとまった資金を持っている人 ・長期的な視野で投資できる人 ・投資先の選び方がわからない人 | ・短期間で資金を得たい人 ・リスクを好まない人 |
投資信託は長期的にコツコツと利益を出していくタイプの投資方法であるため、毎月30万円の不労所得を得るにはまとまった資金が必要です。そのため、短期間で資金を得たい場合は向いていないでしょう。
また、投資信託には価格が下がったり元本割れを起こしたりするリスクがあるため、リスクを負いたくない場合も向いていません。
忙しくて勉強する時間が無い場合や投資先の選び方がわからない場合は、投資信託を選ぶことをおすすめします。
月30万円の不労所得を目指すために注意すべきポイントは以下の3つです。
順番に詳しく解説します。
投資で重要なのはできる限りリスクを抑えることです。月30万円の不労所得を得るにはまとまった資金を投資するため、なおさらリスク管理が重要になります。
複数の投資方法を組み合わせることにより、ひとつの投資商品が大きく値下がりしても他の投資でカバーすることが可能です。投資金額を分散させられるため、大きな損失を被るリスクを減らせます。
毎月一定額の不労所得を得るには、賃料収入や分配金など長期的にコツコツと収入を得ていく投資方法が向いています。
不動産や株式の売買など短期的に得る収入は、一時的に利益を得ても長期間継続した収入にならないほか、値下がりにより損をするリスクがあるため、不労所得に向いていません。
退職後の生活資金や老後資金として不労所得で稼ぎたい場合は、コンスタントに収入が得られる仕組みを作らなければなりません。目先の利益にとらわれず、長期的な視点で継続的に取り組む姿勢が大切です。
ハイリスク・ハイリターンの投資は、大きな利益を出せる一方で、損失も大きくなる可能性があります。月30万円を稼ぐにはまとまった投資金額が必要になるため、仮にハイリスク・ハイリターンの投資方法で失敗した場合は、多額の損失を出してしまうでしょう。
毎月継続して不労所得を得るには、できる限り損失の出ない投資方法で、確実に収入を得ることが大切です。しっかりとリスク管理を行い、ローリスク・ローリターンの投資方法で安定した定期収入を目指しましょう。
この章では、不労所得に関するよくある質問を紹介します。
不労所得と聞くと「やめとけ」「ずるい」と言われるケースは少なくありません。不労所得が良いイメージを持たれない理由には、主に以下のようなものが考えられます。
投資による資産運用は、価格変動による元本割れや損失のリスクがあり、確実に稼げるとは限りません。しかし、しっかりとリスク管理を行いながら長期的に取り組むことにより、リスクを抑えて毎月継続した安定収入を得られるでしょう。
また、不労所得は楽な稼ぎ方ではありません。株式や市場の情報を得たり不動産の現地を確認しに行ったり、手間と時間をかけることで不労所得が得られる確実性が増します。
さらに、投資の世界では詐欺師なども多いため、騙されてしまう恐れがあります。不労所得は簡単ではないと認識し、王道の投資方法を選ぶことで騙されるのを防げるでしょう。
不労所得だけで生活している人がどれくらいいるのか、公的な調査や統計はありません。投資していても結果を報告する義務がなく、不労所得に関する情報を集めて整理する場所がないためです。
不労所得を夢見て投資を始めるケースは増えていますが、不労所得だけで生活している人は現状ごくわずかであると想定されます。
前述のように、毎月継続した不労所得を得るにはまとまった資金と時間が必要です。投資がうまくいかない可能性を考慮し、まずは副業として小さく始めることをおすすめします。
毎年多くのお客様がトーシンパートナーズでマンション経営をスタートしています
将来に漠然とした不安を抱えてはいるものの、なにをしたらよいかわからない……。
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マンション経営と聞くと空室の発生や、家賃の下落・滞納・資産価値の下落などの不安要素が思い浮かぶかもしれません。ですがパートナーとなる会社次第で、ご不安は限りなくゼロに近づけることができます。
家族のために、自分のために、未来の安心のために、ローリスク&ロングリターンな資産運用を始めてみませんか?
不労所得を得るための投資方法には、主に不動産投資、株式投資、投資信託があります。
まとまった資金があれば、毎月30万円の不労所得を得るのは不可能ではありません。ただし、分散投資などリスク管理を徹底し、長期的に継続して取り組む必要があります。
とはいえ、不労所得だけで生活するのは現実的ではありません。不労所得だけで生活している人の割合に関する調査は行われていませんが、現状ごくわずかであると想定されます。
大きな損をしないためにも、まずは副業として小さく始めることをおすすめします。投資を行ううえで注意すべきポイントを押さえて、毎月30万円の不労所得を目指しましょう。