資産運用の失敗例5選|
失敗する人の特徴や失敗しないためのポイントを解説

資産運用に興味を持ちつつも、失敗するイメージがあり手を出しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。大切な資産を失わないためには、運用を始める前に失敗例を把握して対策しておくことが大切です。

本記事では、資産運用のよくある失敗例と、失敗する方に共通する特徴や要因を詳しく解説します。最後まで読んでいただければ資産運用で気をつけるべきポイントがわかり、資産を失うリスクを避けられるでしょう。

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    資産運用においてよくある失敗例

    資産運用で失敗しやすい事例としては、以下5つが挙げられます。

    順番に見ていきましょう。

    勧められた金融商品を安易に購入してしまう

    資産運用では、投資先の金融商品を選ぶ必要があります。その際、金融機関の窓口などで勧められた商品を安易に購入し、失敗する事例が少なくありません。

    銀行や証券会社などの金融機関には販売ノルマがあり、必ずしも購入者にとって最適な商品を勧めるとは限らないためです。金融機関の利益になるような手数料が高い商品であることも多いです。

    また、信頼できる知人や友人から勧められても、ご自身にとって必ずしも良いとは限りません。金融商品にはメリット・デメリットがあり、ご自身の価値観や状況に合わないことがあります。

    失敗しないためには、購入前に商品の内容をよく確認し、理解してから選びましょう。投資に関する専門用語が使われていてわからない場合は、書籍や動画などで基礎知識を身につけてから決めても遅くありません。

    ワンポイントアドバイス
    金融商品は必ず内容を確認してから選ぼう

    一つの金融商品のみを集中して購入してしまう

    金融商品には株や債券、投資信託などさまざまな種類がありますが、気に入った商品や人気の商品を集中して購入する方がいます。

    値上がりしている間は集中した分だけ大きな利益につながりますが、値下がりした際の損失も大きくなり、資産を失う失敗例があります。

    いつまでも利益を出し続ける商品や価値が変わらない商品はなく、一つの金融商品を信じ過ぎるのは危険です。視野を広げ、複数の商品をバランス良く購入しましょう。

    ワンポイントアドバイス
    複数の金融商品にバランス良く投資しよう

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    資産運用の目的を決めずに投資してしまう

    何となくお金を増やしたいという理由で資産運用を始め、かえって資産を減らしてしまう失敗例があります。

    資産運用の際に目的が決まっていなければ、金融商品を購入したり売却したりする際の基準が定まりません。市場の動向や周囲の意見に流されて対応が都度変わってしまい、失敗しやすくなるでしょう。

    また、目的がないとメンテナンスの意識も薄れやすいため、金融商品を購入しただけで満足し、忘れてしまうこともあります。

    資産運用を始める前に、何のためのお金をいつまでに作りたいのか、目的を具体的に決めておきましょう。

    ワンポイントアドバイス
    「何となくお金がほしい」という理由で資産運用を始めない

    価格が下落したときに焦って売却してしまう

    金融商品は日々価格が変動します。よくある失敗例に、少し価格が下がった時点ですぐ売却してしまうことが挙げられます。資産を運用するうえで絶対に損したくないという心理が働くためです。

    しかし、金融商品の価格は不規則な動きをすることも少なくありません。売却した直後に大きく値上がりし、後悔することもあるでしょう。

    金融商品の値動きは予測しづらく、金融のプロでも売却のタイミングを見極めるのは困難です。

    資産を運用する際は細かな値動きを見るのではなく、長期目線で上昇傾向か下落傾向かを見守る程度の意識を持つと良いでしょう。

    ワンポイントアドバイス
    細かな値動きに左右されず長期目線で運用しよう

    余剰資金を考慮せずに運用を始めてしまう

    資産運用でよくある失敗例の一つに、許容範囲を超えた金額を投資してしまうことが挙げられます。なかには損失が出た際に取り返そうとして生活資金なども使ってしまい、生活が困窮する方もいます。

    資産運用に使うお金は、必ず生活資金と分けなければいけません。失敗しないためには、まず家計の収支と資産の総額を把握し、仮に失っても生活に影響が出ない余剰資金を計算しましょう。

    資産運用に使うのは余剰資金の範囲内だけと決めれば、感情に流されて投資にお金を使い過ぎる心配がなくなります。

    ワンポイントアドバイス
    資産運用の資金と生活資金は明確に分けよう

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    資産運用で失敗する人の特徴

    資産運用に失敗する方には、以下4つの特徴が見られます。

    順番に詳しく解説します。

    資産運用の目的が明確ではない

    失敗する方の多くは、資産運用でお金を増やしてから使い道を決めようとする特徴があります。

    老後資金や子どもの教育資金のためといった目的がないことから、金融商品選びや売買の判断に迷いが出て失敗しやすくなります。

    また、方針が定まらず気になる商品や話題の商品に次々乗り換えてしまい、手数料などの小さな支出が積み重なって資産が増えにくくなる方も多いです。

    資産運用のルール決めができていない

    失敗する方の多くは資産運用のルールを決めておらず、金融商品の価格を見ながらその場で判断して取り引きする傾向があります。

    例えば、株を運用している際に値上がりすると、もっと利益が出るのではと考えて売却できなくなる方も少なくありません。結果としてタイミングを逃し、後悔することが多いです。

    また、資産運用に使うお金の範囲を明確に定めておらず、生活資金や子どもの進学用のお金まで使い込んでしまう方もいます。

    自分で勉強せず専門家に頼りきっている

    資産運用では難しい専門用語が使われることも多く抵抗感もありますが、市場の動向や政策などの最新情報にも気を配らなければいけません。

    しかし、失敗する方の多くは勉強や情報収集に時間をかけず、専門家などの意見を安易に取り入れて資産運用しようとする傾向があります。

    内容を理解せずに運用しているため、市場に予想外のできごとが起こった際に対応方法がわからず失敗しやすくなります。

    短期間でリターンを得たいと考えている

    失敗する方に共通する特徴として、早く資産を増やしたいと焦る傾向があります。

    短期間で利益を得るために値動きの大きい金融商品の運用に手を出してしまったり、「利回り20%以上」といった甘い言葉にだまされて詐欺商品を買わされたりして資産を失う例が少なくありません。

    また、頻繁に金融商品の価格の変動を観察する傾向があり、小さな値下がりに反応して焦って売却してしまうことも多いです。


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      【種類別】資産運用の成功率・失敗率

      資産運用の際によく選ばれる4種類の投資方法の、成功率・失敗率を見ていきましょう。

      順番に詳しく解説します。

      株式投資の成功率・失敗率

      株式投資とは、企業が資金調達のために発行する「株式」を取り引きして利益を得る投資方法です。株式投資で利益を得る方法には、以下2種類があります。

      株式投資の成功率・失敗率を示す客観的なデータはありませんが、一般的に売買益を狙う個人投資家の成功率は約10%前後、失敗率は約90%と言われることが多いです。

      株価の変動を予測して適切なタイミングで売買するのは投資上級者でも難しく、資産運用初心者にはリスクが高い投資方法と言えるでしょう。

      一方、配当金目的で株式を保有し続けたり、成長が見込める企業の株式を購入して値上がりを待ったりするような長期目線の投資をすることも可能です。

      株式投資を始める場合は、株式を発行している企業の経営状況などを詳しく調べ、損失が出ても問題ない範囲で少額から購入してみることをおすすめします。

      不動産投資の成功率・失敗率

      不動産投資とは、マンションやアパートなどの不動産を運用して利益を得る投資方法です。不動産投資で得られる利益には、以下2種類があります。

      不動産投資は他の投資方法に比べて成功・失敗の定義が難しく、客観的なデータはありません。一般的に成功率は約10%〜50%と言われています。

      売買益を狙うには都心などの人気エリアの物件を見つける必要がありますが、資産運用初心者が値上がりする物件を見抜くのは難しく、成功率は比較的低い印象です。

      これから資産運用として検討するのであれば、家賃収入目的の不動産投資がおすすめです。良質な物件を見つけられれば、継続的な収入を得られるでしょう。

      ただし、不動産投資では物件を購入する際にローンを組んだり、物件を維持管理したりする必要があります。

      月々のローン返済額や物件の維持費などの支出と家賃収入の収支をシミュレーションし、トータルで資産が増えるかどうかを確認してから運用を始めましょう。

      投資信託の成功率・失敗率

      投資信託とは、専門の運用機関に資金運用を委託し、発生した利益を分配金として受け取る投資方法です。

      運用機関は複数の投資家から集めた資金を使い、複数の金融商品を組み合わせて運用します。そのため、投資信託を1本購入するだけで手軽に分散投資できる点がメリットです。

      金融庁が金融事業者を対象に行なった調査によると、2022年3月末時点で投資信託の運用損益がプラスである顧客の割合は約79%でした。約8割の方の資産が増えていることになり、投資信託の成功率は比較的高いと言えるでしょう。

      長期間運用するほど成功率は上がり、金融庁が独自に実施したシミュレーション結果によると、20年間積み立てた場合はほぼ100%資産が増える結果となっています。

      ただし、投資信託は比較的利回りが小さく、年利約3〜10%が目安です。失敗率が低い方法で緩やかに資産運用したい方に向いているでしょう。

      参照元:金融庁|投資信託の共通KPIに関する分析p.3
          金融庁|つみたてNISA早わかりガイドブックp.2

      FXの成功率・失敗率

      FX(外国為替証拠金取引)とは、国同士の通貨を交換し、為替レートの変動を利用して利益を得る投資方法です。

      実際に入金したお金を担保に25倍までの資金を取り引きできる点が特徴で、少ない自己資金で効率良く資産運用したい方に選ばれています。

      しかし、倍率(レバレッジ)をかけて運用した分だけ損失も大きくなる点に注意が必要です。

      少し古いデータではありますが、2018年の金融先物取引協会の調査では、FXで利益を出している方(成功率)は60.3%、損失が出ている方は39.7%でした。

      損失が出ている方のなかでも損失額が50万円以上の方が11.3%となっており、失敗した場合の影響が大きいことがわかります。

      為替相場が海外の状況にも影響を受けて大きく変動することを考えると、FXは長期的な資産運用には向いていません。

      資産運用初心者がFXを始めるのであれば、レバレッジをかけずに少額から短期間で運用することをおすすめします。

      参照元:金融先物取引業協会|外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査p.12

      資産運用で失敗しないためのポイント

      資産運用の失敗例や失敗しやすい方の特徴を踏まえると、事前に対策すべきことがわかります。

      最後に、上記5つのポイントを解説します。

      目的や目標金額を決めておく

      資産を増やしたいという漠然とした目的ではなく、「増やした資産を何に使いたいか」を明確にしておきましょう。具体的には、以下3点を決める必要があります。

      例えば、日本政策金融公庫の調査によると、子どもひとりを私立大学文系学科に通わせる場合は入学金で約81.8万円、学費1年あたり約152万円かかります。

      奨学金を利用するかどうかなども考慮して目標金額を設定すれば、入学予定までの期間でいくら積み立てれば良いか、どのくらいの利回りの商品を選べば良いかといった目安がわかるでしょう。

      金融庁が公開している資産運用シミュレーションツールを活用すれば、月々に必要な積立金額や運用後の予想金額を簡単に計算できます。

      このように、目標金額と目標期限が具体的であるほど、金融商品選びに失敗するリスクを避けられるでしょう。

      参照元:日本政策金融公庫|教育費負担の実態調査結果2021年度 p.7〜8
          金融庁|資産運用シミュレーション

      余剰資金を十分に確保する

      資産運用で失敗を避けるためには、心に余裕を持った状態で投資できる環境を整える必要があります。

      少し損失が出ただけで生活に影響が出るような状態では、細かな価格の値動きに焦って誤ったタイミングで売却しかねません。必ず余剰資金の範囲内で運用しましょう。

      具体的には、手元の資金から生活費の半年分〜1年分の予備の蓄えを除いた分で運用するのがおすすめです。

      例えば、病気やケガで働けなくなったり冠婚葬祭などでまとまった資金が必要になったりした場合に、半年分〜1年分のお金があれば運用資金を取り崩さなくて済みます。

      また、運用で損失が出た場合に補填することが可能です。ただし、蓄えた分を使ってしまった場合は必ず貯金して補充し、再び蓄えができてから投資を再開するようにしましょう。

      事前に決めたルールを破らない

      資産運用で失敗しないためには、冷静に判断できる環境を整えることが大切です。

      金融商品を購入する前に運用する期間や目標利益、撤退ラインといったルールを具体的に設定し、必ず守ると決めましょう。

      日々の値動きを見ていると欲が出て変更してしまったり忘れたりしやすいため、メモなどの見える形に残しておくのがおすすめです。

      また、余剰資金以外のお金に手を付けてしまいそうな方は、資産運用用の資金を預ける専用口座を作ると良いでしょう。意思に頼らずルールを守れるように仕組み化するのがポイントです。

      分散投資・長期投資を意識する

      資産運用の世界では、アメリカの小説家マーク・トウェインの「卵は一つのカゴに盛るな」という格言が有名です。

      同じカゴに入れた卵は落としたときに一度に割れてしまいますが、複数のカゴに分けておけば一部が割れても他の卵に影響しません。

      金融商品もいくつかの種類を分散して購入し、一部の商品が大きく値下がりしても他の商品でカバーできるようにすることが大切です。

      具体的には、以下の点を意識して分散すると良いでしょう。

      また、資産運用初心者には時間で分散して投資する「ドルコスト平均法」もおすすめです。ドルコスト平均法とは、商品の値動きに関係なく一定金額を定期的に購入する投資方法です。

      商品の単価が高い時には数量を少なく、低い時には多く購入できるため、長期間投資を続けるほど単価が平均化され、価格変動のリスクを抑えられます。

      着実に資産運用を続けている方には、毎月1日に投資信託を1万円購入するなど淡々と積立投資をしている方が多いです。

      金融知識の勉強を怠らない

      資産運用に失敗しないためには、金融商品の内容を理解して選ぶ必要があります。また、運用中も市場の動向を分析し、必要に応じて適切な対応を取らなければいけません。

      そのため、金融に関する知識を身につけましょう。例えば、以下のような勉強方法があります。

      また、一度学んで終わりではなく、日ごろから経済関連のニュースなどに関心を持ち、市場の変化にすぐ気づける環境を整えておくことも大切です。

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      まとめ

      資産運用のよくある失敗例は、以下5つです。

      失敗しないためには、以下のポイントをおさえることが大切です。

      また、金融商品の種類によって成功率・失敗率が異なり、株式投資の短期売買やFXなどの資産運用初心者には難易度が高い商品もあります。

      資産運用を始める際は、商品の特徴やリスクを確認したうえで、ご自身の目的や価値観に合った商品を選びましょう。