「不動産クラウドファンディングは儲からないのは本当?」「不動産クラウドファンディングのデメリットを知りたい」─不動産クラウドファンディングは現物不動産投資などと比較すると、情報量の少なさなどから不安視する人もいます。不動産クラウドファンディングに限らず、投資は仕組みを理解したうえで取り組むことが大切です。
不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由やメリットなどについて紹介していきます。
【この記事でわかること】
不動産クラウドファンディングとは、運営事業者がインターネット上で広く資金を集めて不動産物件の運用を行い、収益を投資家に分配する投資手段です。不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法にもとづいて運営されています。
不動産クラウドファンディングでは、1つの投資対象物件ごとにファンドが組成され、投資家から集まった資金をもとに物件を購入。賃貸運用による賃料収入や売却益といった収益の一部を投資家に分配し、運用期間終了後に償還金を戻す仕組みです。
「不動産クラウドファンディングは儲からない」と言われることがあります。不動産クラウドファンディングのデメリットから、儲からないとされる理由についてみていきます。
不動産クラウドファンディングは利回りが比較的安定している一方、短期間で大きな収益を得ることはできません。不動産クラウドファンディングの収益の原資は毎月の賃料収入のため、急激に上昇することは考えにくいためです。この点は、現物不動産投資など他の不動産投資の手段と同様です。
一方、株式投資やFXは価格変動によって、短期間で大きな売却益が得られる可能性があります。ただし、不動産クラウドファンディングよりもリスクが高い投資手段です。
レバレッジ効果のレベレッジとはてこの原理のこと。借入を利用して少ない自己資金で大きな利益を得ることをレバレッジ効果といいます。
たとえば、株式投資の信用取引では、担保として預けた現金や株式の3.3倍までの買付資金で株式の売買をすることが可能です。そのため、通常の取引方法である現物取引と比較して、最大で3.3倍の利益を狙うことができます。また、FXは担保として預けた証拠金の最大で25倍の取引が可能であり、レバレッジ効果の高い投資手法です。
ただし、レバレッジ効果を効かせた多くの利益を見込める一方で、多くの損失が発生するリスクがあります。
不動産クラウドファンディングは自己資金の範囲内でしか始められないことも、儲からないと言われる理由です。
現物不動産投資はローンを利用して不動産を購入することで、自己資金の範囲を超えて投資をすることが可能で、レバレッジ効果のある投資手法でもあります。たとえば、ワンルームマンションへの投資では、自己資金100万円で3,000万円程度の物件をローンを利用して購入し、賃料収入から収益を得るといったことができます。
ただし、ローンを組んで不動産を購入すると、賃料相場の下落や家賃の滞納により、ローンの返済に支障をきたすリスクがあります。不動産クラウドファンディングなど自己資金のみを活用した投資手段は、リスクを抑えた投資手法であるといえます。
不動産クラウドファンディングは元本保証がないため、元本割れのリスクがあります。ただし、元本割れリスクがあるのは不動産クラウドファンディングに限らず、株式投資や投資信託、FX、J-REITなど投資商品全般に言えることです。投資で安定性を重視するのであれば、リスクの低い投資商品を選ぶことが選択肢となります。
不動産クラウドファンディングは、優先劣後出資制度が設けられているため、比較的元本割れリスクが低い投資手段です。
不動産クラウドファンディングは、地震や台風などの自然災害によって投資対象物件が損害を受けると、元本割れリスクや分配金が支払われないリスクがあります。計画よりも賃料収入が減少したり、物件価値の低下によって想定よりも売却益が得られなかったりするためです。
現物不動産投資も、自然災害によるリスクがあるのは同様です。J-REITも不動産に投資する投資商品のため、自然災害の影響を受けますが、複数の不動産が組み込まれているため、特定の地域に集中している銘柄を避ければ、リスクを軽減できます。
不動産クラウドファンディングは儲からないと言われていますが、次に挙げるメリットから注目を集める投資商品でもあります。
不動産クラウドファンディングは運営事業者やファンドによっては、1口1万円から投資できることがメリットです。少額投資が可能なため、投資初心者や若い世代も始めやすい投資手段です。
不動産クラウドファンディング以外で1万円程度の少額で投資できるのは、ソーシャルレンディングやFX、投資信託が挙げられます。
現物不動産投資はローンを利用する場合でも、最低でも70万円程度の初期費用が必要になるほか、毎月ローンの返済が発生します。また、J-REITは銘柄によって価格が異なり、1口数万円~数十万円です。株式投資は数万円程度で購入できる銘柄もありますが、選択肢が限られます。
不動産クラウドファンディングは、インターネット上で購入手続きをした後は、投資家がやることは特になく、物件の維持管理や賃貸運用、売買の手間などがかかりません。運用期間が終了するのを待つだけといえます。
これに対して、現物不動産投資では入居者の募集や家賃の回収、トラブル対応、修繕の手配など、維持管理や賃貸運用の手間がかかります。これらの業務は管理会社に委託する方法もありますが、家賃の設定や修繕方法の決定、入居者の審査などは、オーナーの判断が必要です。
また、J-REITも物件の維持管理や賃貸運用の手間がかからないという点では、不動産クラウドファンディングと同じです。ただし、J-REITは価格変動があり、運用期間が決まっていないため、いつ売却するか判断をする必要があります。
不動産投資にはリスクがつきものであり、不動産クラウドファンディングへの投資にもリスクがあります。また、不動産クラウドファンディングは1つの投資対象物件ごとにファンドが組成されるため、1つの投資先では分散投資の効果はありません。
しかし、不動産クラウドファンディングは1口1万円から投資できる運営事業者やファンドがあるなど、少額からの投資が可能です。そのため、複数のファンドに投資を行い、リスクを分散することができます。
不動産クラウドファンディングで複数のファンドに投資する際には、マンションとオフィスビルなど異なる種類の不動産を選べば、経済状況の変化に関わるリスクに対応できます。また地域が異なるファンドを選択すれば、自然災害によるリスクを軽減できます。あるいは、運営事業者の異なるファンドを選択すると、倒産リスク対策になります。
不動産クラウドファンディングには元本割れリスクを低減する仕組みとして、優先劣後出資制度が設けられています。
優先劣後制度とは、投資家を優先出資者、運営事業者を劣後出資者とし、利益は優先出資者に優先して配分し、損失は劣後出資者から負担する仕組みです。損失が発生した場合も、劣後出資者の出資分の範囲内であれば、優先出資者の元本には影響しません。
J-REITには優先劣後出資制度のような仕組みは設けられていません。
投資初心者にとって、不動産クラウドファンディングは始めやすい投資手段の一つです。とはいえ、不動産クラウドファンディングに関する知識がないまま取り組むと、失敗する可能性が高くなります。不動産クラウドファンディングについて学び、成功するコツを理解してから始めるのが望ましいです。
【不動産クラウドファンディングで成功するコツ】
不動産クラウドファンディングで成功するには、運営事業者や出資するプロジェクト(ファンド)の物件情報などの詳細を確認することが大切です。不動産クラウドファンディングの投資リスクはファンドによっても異なります。不動産クラウドファンディングで成功するコツについて、それぞれ詳しくみていきます。
運営事業者のこれまでの運営実績を確認し、過去に元本割れや分配金の遅延を起こした履歴がないかチェックします。特に複数回にわたって元本割れや分配金の遅延を起こしている運営事業者は、投資対象物件の見極めが甘いと考えられるためです。
また、これまでに不動産クラウドファンディングを手掛けた案件数もチェックするべきポイントです。不動産クラウドファンディングでは売却益が分配金に組み込まれることが多く、計画通りに売却が行われるかどうかが、収益に大きく影響します。豊富な運営実績のある事業者は、売却のノウハウを持っていることが期待できます。
不動産クラウドファンディングでは、運営事業者が倒産すると投資した資金が返ってこないリスクがあるため、経営状況を確認することが大切です。
資本金が多く企業規模が大きい会社や大手企業のグループ会社は、会社としての体力があり、急に倒産するリスクが低いといえます。特に運営事業者が上場企業や上場企業のグループ会社の場合は、コンプライアンスを遵守するための社内体制が整っている可能性が高いという安心感もあります。
不動産クラウドファンディングで特に少額の投資をする場合は、手数料よりも収益の方が少なくなる可能性があります。手数料によって損失を被らないようにするには、手数料の有無や金額を確認しておくことが大切です。
会員登録や口座開設、口座維持、ファンドへの申し込みには手数料がかからず、口座への入金の際の振込手数料は自己負担となる運営事業者が中心です。出金手数料は発生する運営事業者が多く、提携銀行のみ手数料無料としている運営事業者もあります。
出資するプロジェクト(ファンド)はなんとなく選ぶのではなく、物件情報からしっかりと吟味することが大切です。不動産クラウドファンディングは元本割れリスクがあり、投資対象物件ごとにファンドが組成されるため、得られる収益は出資したファンドによります。
物件情報の詳細が載っている運営事業者のサイトの方が、出資するプロジェクトを適正に見極められます。
物件情報は住所や築年数(築年月)、面積、施工会社、最寄り駅からの距離(徒歩分数)、周辺環境、収支シミュレーション、想定利回り、優先劣後出資制度の有無や劣後出資割合などをチェックします。
想定利回りは高い方がよいとは限らず、周辺相場と比較して妥当性があるか確認することが大切です。また、劣後出資割合は運用期間6ヶ月未満の場合は10%程度、6ヶ月以上の場合は20%~30%程度あると安心です。
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不動産クラウドファンディングは儲からないと言われることがありますが、それは比較的安定した投資手段だという裏返しです。不動産クラウドファンディングには優先劣後出資制度が導入されているファンドが多く、元本割れリスクが低減されています。また、少額の投資から始められるため、投資初心者でも取り組みやすいといったメリットがあります。ただし、不動産クラウドファンディングで成功するには、商品の特性や選び方などについて、知識をしっかり身につけてから取り組むようにしましょう。