不動産投資に興味があるものの、「不動産投資詐欺に遭わないだろうか」「やばい会社に騙されないか不安」といった心配を抱えていませんか。残念ながら、不動産投資詐欺をはたらく業者や営業姿勢に問題のあるやばい会社は存在します。
そこで、やばい会社の見抜き方や不動産投資詐欺の手口、被害に遭わないための対策などを紹介していきます。
不動産投資では、本やWebサイトなどから得られる知識には限界があり、個々の資産状況などによって異なる部分もあります。そのため、物件情報や融資関連、賃貸運用やリフォームなどに関して不動産会社に相談すると、不動産投資をスムーズに効率よく進めやすくなります。
しかし、不動産会社の中には、不動産投資の相談をするべきではない「やばい会社」があるのが実情です。不動産投資の相談を避けるべき「やばい会社」の特徴として、以下が挙げられます。
【やばい不動産会社の特徴】
実際は取り扱っていない物件を広告に掲載しているのは、いわゆる「おとり広告」です。実在しない架空の物件を載せているケースと、既に成約済みの物件を掲載しているケースがあります。おとり広告を載せている会社は、広告を見て来店した人に対して、他の物件を紹介して契約させるのが目的です。
おとり広告は宅地建物取引業法などで禁止されています。ただし、物件が売れた直後に悪意なく、掲載されたままになっていることがあります。
●物件名が記載されていない、あるいは詳細な住所が記載されていない場合は、おとり広告が疑われる。
●現地集合での内見を依頼し、断られた場合はおとり広告の可能性がある。
不動産会社を開業するには、宅地建物取引業法による宅地建物取引業の免許を取得する必要があり、事務所の設置要件が設けられています。そのため、ホームページに事務所の住所を載せていない、あるいは事務所以外で打ち合わせをしようとするなど、事務所が存在しないことが疑われる会社は、そもそも宅地建物取引業の免許を取得していない可能性があります。
また、雑居ビルにある不動産会社が必ずしも怪しいというわけではありませんが、お客様を呼びにくい雰囲気のビルでは、現実的に営業に差支えがあります。入居審査が厳しいグレードの高いビルへ入居するだけの実績がないという点で注意が必要です。
事務所が存在しないケースや所在地を偽っているケース、あるいは敷金が安い雑居ビルに入居しているケースは、契約が終わった段階で姿を消すことが危惧されます。
●国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で宅地建物取引業の免許の有無や事務所の住所を確認する。
●事務所の住所から入居しているビルをチェックする。
●事務所での打ち合わせを希望する。
「利回りが高い」「デザイナーマンションなので人気がある」など、物件のメリットばかりを説明して、デメリットには触れない不動産会社には注意が必要です。デメリットない投資物件はほぼなく、どんな物件にも何かしらのデメリットがあるためです。
また、賃貸運用においては損害保険料や固定資産税・都市計画税、修繕費用などの経費がかかるほか、築年数の経過とともに、空室率の上昇や家賃の下落が起きるのが一般的です。表面利回りのみを提示し、経費や将来の価値の低下を踏まえた実質利回りによるシミュレーションを行わない不動産会社にも注意しましょう。
●メリットだけを強調して、将来の空室リスクや家賃下落リスク、老朽化リスクなどに触れない会社は信用できない。
初回相談で話が進んでいれば物件の紹介を行うケースもありますが、強引に自社の販売物件を提案する会社には注意が必要です。
不動産投資では、年収や勤務先、借入状況などが融資の判断のために最低限必要な情報となります。さらに、お客様に合った提案をするには、資産の保有状況や不動産投資の目的、投資のリスクの許容範囲、家族構成などに関してもヒアリングが必要です。
●初回面談で十分なヒアリングもなく、強引に自社の販売物件を提案するケースは、自社の利益しか考えていない可能性がある。
遠方の物件や海外の物件など、現地調査が難しい物件のみ提案する不動産会社は、不利益な情報を隠して高値で販売しようとしているケースや、実際には実在しない物件を購入させようとしているケースなどが考えられるため、やばい会社の可能性があります。
不動産投資は現地調査に行って、購入を検討するのが基本です。物件の状態や周辺環境などは、実際に足を運んで見なければわからないことがあるためです。現地を確認せずに購入すると、たとえば緑に囲まれたリゾート地に立つ物件だと認識していたのに、実際には開発によって周囲の樹木が伐採されているといったことが起こり得ます。
●必ず現地調査に行く。現地調査に行けないのであれば契約しない、もしくは信頼できる不動産会社に依頼する。
新築ワンルームマンションのみを勧められるなど、提案する投資物件の種類に偏りがある場合は、投資家に合った物件を紹介しているのではなく、自社物件など販売したい物件を提案している可能性があります。
不動産投資は年齢や年収、資産の保有状況のほか、不動産投資をする目的、不動産投資歴などによって、物件の向き不向きがあります。投資物件の種類は、区分所有マンションはワンルームマンションとファミリー向けマンションに分けられ、一棟マンション、一棟アパート、戸建てなどもあるほか、新築と中古でも異なります。取り扱い物件は各社異なるため、提案できない物件の種類もあるはずです。ただし、自社では取り扱いの無い物件の種類をあからさまに否定してくる会社は顧客の利益を考えず、自社の利益しか考えていない可能性があるので注意が必要です。
●区分所有マンション、一棟マンション、一棟アパート、戸建てなどの幅広い選択肢から提案を受けられるのか確認する。
あからさまに節税できることを理由に不動産投資を勧めてくるケースは、脱法的な節税手法を勧めている可能性があるため、そうした不動産会社は避けるべきです。
不動産投資では、購入費用のうち、土地の部分は必要経費として計上できませんが、建物の部分は法定耐用年数に応じて、減価償却費として分割して計上します。減価償却費を計上することで、不動産所得が帳簿上赤字になると、損益通算によって事業所得や給与所得に対する所得税や住民税が安くなるのが、不動産投資による節税の仕組みです。
減価償却費以外にも経費計上ができる科目はありますが、実際に不動産投資に関わる内容の支出しか認められません。例えば本当は家族との食事であったにも関わらず、不動産会社との打ち合わせと偽って会食費用を不動産投資の経費として計上するなどし、不動産所得を減らすのは脱税行為に当たります。自社の利益しか考えず、「絶対にバレません」などと脱税行為をそそのかす会社は言語道断です。
●節税を謳い、脱税行為と疑われる節税手法を勧めてくる会社は避ける。勧められた手法は調べてみる。
物件に関する充分な情報を提供しすることなく、「この物件はすぐに契約しないと売れてしまう」「他に検討中の方がいます」などと、早期の手付金の支払いや契約を迫る不動産会社は、お客様ファーストの姿勢がなく、信用できません。
良心的な不動産会社であれば、物件を検討するために必要な情報の提供や投資に関するアドバイスを行い、投資家からの質問に答えたうえで、購入の意思を確認します。また、もし、仮に提案した物件が売れてしまっても、他の物件を提案します。
手付金は売買契約にあたって買主が売主に支払うもので、売買契約を解除する場合には戻ってこないことから、安易に支払うのはリスクが高い行為です。
また、後述するように、手付金を支払わせて持ち逃げをする手付金詐欺のケースもあるため、注意が必要です。
●早期の手付金の支払いを迫られても、その場で返事をすることは避ける。
●強引に手付金の支払いや売買契約の締結を求める会社とは取引をしない。
最後に挙げるのは「やばい会社」というよりも、不動産投資の物件探しに向いていない会社です。
不動産の売買の仲介のみを扱い、賃貸管理を取り扱っていない会社は、購入後の賃貸運用に関して相談ができません。信頼できる会社もある一方で、「売れれば終わり」という姿勢がないかという点が危惧されます。
不動産投資は投資物件を購入したら終わりではなく、購入してからがスタートです。適切に賃貸運用を行っていくことで、安定した収益を確保できます。仕事を持っている人が自分で賃貸管理を行うことは現実的ではなく、賃貸管理は管理会社に委託するのが一般的です。
賃貸管理を手掛ける不動産会社は、物件の選定の際にも客付けのしやすさを重視することが期待できます。また、物件探しから賃貸管理までをワンストップで相談できる安心感があります。
●ホームページなどから、賃貸管理までを手掛ける不動産会社か確認する。
やばい会社の中には営業姿勢や営業担当者の資質に問題があるだけではなく、不動産投資詐欺をはたらくケースもあります。代表的な不動産投資詐欺の手口を知り、被害に遭わないように注意しましょう。
【不動産投資詐欺の手口】
手付金詐欺とは、手付金を支払ったにも関わらず、不動産会社を装う業者と連絡がとれなくなり、手付金を持ち逃げされる詐欺です。「早く手付金を支払ってキープしないと、売れてしまう」などと急かして、投資家に手付金を支払わせるといった手口が横行しています。
手付金の支払いを早急に求められ、手付金詐欺が疑われる場合には、宅地建物取引業の免許を取得している不動産会社か、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認します。また、実在する不動産会社を名乗る偽業者の可能性もあるため、実際に事務所に足を運んで確認することが大切です。
入居状況詐欺は満室偽装詐欺とも呼ばれ、空室の多い物件にサクラとなる協力者を入居させて満室を装い、高い利回りがあると見せかける詐欺です。売買契約を締結して物件を引き渡した後、協力者が次々と退去していくため、すぐに空室ばかりの状態になります。あるいは、資料を改ざんして満室を偽装するケースもあります。
入居状況詐欺に遭わないためには、各部屋の賃貸契約条件の一覧表であるレントロールで契約時期をチェックして、直近で入居者が急激に増えているといった不自然な動きがないか確認します。また、現地調査を行い、実際に人が住んでいるか確認することも大切です。
ただし、レントロールを改ざんするほか、電気やガスを使用したり、部屋にカーテンを掛けたりすることで入居してるように偽装するケースがあります。生活感が感じられないなど、不審な点が見受けられる場合には契約を避けましょう。
サブリース契約とは、アパートやマンションなどの賃貸物件をサブリース会社(賃貸管理会社)が一括で借上げ、オーナーに対して定額の家賃保証を行う契約です。
サブリース詐欺とは、サブリース契約によって「30年間家賃を保証する」「家賃は下がらない」といった説明を口頭で行い、投資家に安定した収益が得られると安心させて、実際には異なる内容の契約を結ぶ、詐欺、あるいは詐欺まがいの行為をいいます。実際には数年で保証される家賃が下がったり、サブリース契約を打ち切られたりすると、投資家(オーナー)はローンの支払いに困窮する事態に陥りかねません。
サブリース契約による不動産投資を行う場合には、契約内容をしっかりと確認することが大切です。サブリース契約の内容をきちんと説明しない不動産会社との契約はリスクがあります。家賃に対する家賃保証の割合、家賃保証が見直しとなる期間、家賃が支払われない免責期間のほか、中途解約の可否や修繕費用の負担などについて、契約前に確認しておきましょう。
二重譲渡詐欺とは、既に売却が決まっている物件、あるいは売却済みの物件の売買契約を別の投資家と結び、手付金や購入代金を騙し取る詐欺です。不動産は先に登記を終えた方が所有権を主張できることから、こうしたケースでは、既に第三者が登記手続きを終えていると、購入代金を支払っても所有権を取得することができません。
二重譲渡詐欺は不動産会社を装う業者のほか、不動産会社が悪意を行って行うケースもあります。特に所有者が詐欺グループの一員となっているケースでは、見抜くのが難しくなります。
二重譲渡詐欺の被害を防ぐには、事前に登記内容を確認しておきます。また、売買代金の決済と物件の引き渡しは通常、司法書士の立ち会いのもとで行いますが、直前にインターネット上で登記情報を確認してもらい、すぐに登記のオンライン申請を行う段取りを組んでおくと安心です。
デート商法詐欺は婚活商法詐欺などとも呼ばれ、マッチングアプリや婚活サイト、婚活パーティなどで知り合ってデートを重ねて、親密な関係になったところで不動産投資を勧められ、購入後に連絡が途絶えるという詐欺です。恋愛感情につけこまれて精神的にダメージを負ったうえに、ローンの支払いを抱えることになります。
デート商法詐欺に遭わないためには、恋愛感情を抱いていたとしても、素性をよく知らない相手から高額な商品を購入しないことが大切です。また、2019年6月の消費者契約法の改正によって、社会生活上の経験が乏しいと認められた場合には、デート商法による契約は取消ができる可能性があります。万が一、デート商法詐欺の被害に遭った場合には、速やかに弁護士に相談しましょう。
海外不動産投資詐欺とは、海外の物件は現地調査に行きにくいことを利用し、実在しない物件を販売したり、あるいは劣悪な物件を資料ではよく見せて高値で売りつけたりする詐欺です。また、完成予定物件の販売を行い、予定期日までに完成せず、引き渡しが行われない詐欺、または詐欺まがいのトラブルもあります。
そもそも、海外不動産投資は難易度が高く、投資初心者には向いていません。また、海外であっても現地調査を行わずに投資物件を購入するのは、リスクが高い行為です。
囲い込みとは意図的に情報を遮断して、自社以外の選択肢をなくすように仕向ける行為です。少ない情報の中で購入の判断を迫られることで、相場よりも高い価格で投資物件をつかまされることがあります。たとえば、「A社は業界内では評判が悪いのでおすすめできない」「この物件は当社しか扱っていない」「この条件では、B社やC社では契約できない」といった物言いにより、言葉巧みに契約を迫ってきます。
囲い込みによる被害に遭わないようにするには、その場で売買契約の判断をするのは避けて、類似する他の物件と比較してから、購入を検討することが大切です。
不動産投資詐欺の被害に遭うなど、不動産投資によるトラブルを避けるには、次に挙げるポイントがあります。
【被害に遭わないためのポイント】
不動産投資詐欺による被害に遭わないようにするには、まずは不動産投資に関する知識を身につけてから行動することが大切です。不動産投資に関する知識がないと、詐欺の被害には遭わなくても、相場よりも高い不利益な物件をつかまされる恐れがあります。また、不動産投資の知識があれば、やばい会社の営業のセールストークを鵜呑みにしてしまうといった事態を避けられるためです。
不動産投資の知識を身につけるには、不動産投資に関わる本を読む、セミナーに参加するといった方法があります。
不動産投資の勉強会や交流会などに参加して、不動産投資で成功している人とのネットワークを築くと、不動産投資詐欺の手口や不動産会社などに関して情報交換ができます。ただし、詐欺が行われる場となっていることが疑われるネットワークもあるため、インターネットなどで評判などを調べてから参加するようにしましょう。
不動産会社に相談に行く前に、特に規模の小さな会社は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で宅地建物取引業の免許を取得しているか確認します。いつから宅地建物取引業(不動産業)を営んでいるか、業績について調べるには、「最初に免許を取得した年月日」の項目が参考になります。
また、ホームページなどから、社歴や資本金、社員数なども確認します。設立から10年以上、資本金1,000万円以上、社員数100名以上が信用力を推し量るうえでの目安となります。
不動産投資を相談する不動産会社の判断基準として、不動産投資に関する口コミによる評判を参考にします。実際の会社や営業担当者の雰囲気、サービスの質など、ホームページではわからない部分があるためです。ただし、口コミはサクラが書いている可能性があるため、具体性のある口コミを参考にしましょう。
不動産投資を始める際には、一社のみに相談するのではなく、複数の不動産会社に相談して、信頼できる会社を見極めるのが望ましいです。一社のみに相談すると、仮に偏った考え方にもとづいたアドバイスを受けていても気づきにくく、失敗につながるリスクがあります。複数の不動産会社に相談することで様々な考え方に触れることができるほか、怪しいセールストークを鵜呑みにせず、冷静に判断するスキルが身につきます。
不動産投資は高額な投資となるため、不明な点があるにも関わらず、売買契約の締結へと進んでいくのは禁物です。よく理解できずに投資物件を購入してしまうと、詐欺ではなくても、失敗につながりやすいためです。
何かわからない点や疑問に思っていることがある場合には、積極的に不動産会社の担当者に質問をしてみましょう。質問に対して明確な回答が得られないなど、誠意ある対応がされない場合には取引をやめるという判断材料になります。
不動産投資詐欺の被害に遭った場合には自分で抱え込むのではなく、専門機関などに早急に相談することをおすすめします。
【不動産投資詐欺に遭ったときの主な相談先】
宅地建物取引業の免許は、国土交通大臣免許と都道府県知事免許があり、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認できます。免許行政官庁は、国土交通大臣免許の場合は地方整備局、都道府県知事免許の場合は各都道府県の宅地建物取引業免許部局が問い合わせ先となります。
免許行政官庁に悪質な勧誘などのトラブルを相談すると、悪質な行為を行った不動産会社に対して、行政指導や業務停止、免許取り消しなどの行政処分が課される可能性があります。
参考:
国土交通省|都道府県に関する窓口|宅地建物取引業免許(知事免許)に関する窓口一覧
保証協会には、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会や公益社団法人不動産保証協会などがあり、不動産会社に関する苦情の解決や弁済、手付金の保管や保証などを行っています。
参考:
地方公共団体が設置する消費生活センターは、商品やサービスの購入など消費生活全般に関する苦情や相談について、専門の相談員が対応する窓口です。不動産投資に関わるトラブルについても相談できます。消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活相談窓口の案内を受けられます。
参考:独立行政法人国民生活センター|全国の消費生活センター等
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不動産投資詐欺や怪しいセールストークに騙されないためには、不動産投資に関する基本的な知識を身につけておくことが大切です。また、今回紹介したやばい会社の特徴や不動産投資詐欺の手口を参考に、不安材料がある会社との取引は避けるようにしましょう。