- 不動産投資の基礎知識
不動産で相続税対策はできる?具体的な方法をわかりやすく解説

不動産投資は、相続税対策を目的として行われることがあります。不動産投資が相続税対策になるのは、相続税評価額の算出方法だけでなく、マイナスの財産があれば、プラスの財産と相殺できるためです。
不動産投資が相続税対策になる理由を押さえたうえで、不動産を活用した具体的な節税方法について解説していきます。
不動産で相続税対策はできる?

相続税対策とは、遺産に相続税がかかる場合に、節税のための準備をしておくことを指します。相続税には超過累進税率が適用されており、最高税率は55%です。相続人の人数にもよりますが、遺産の規模が大きいほど多くの税金が課されるため、相続税対策を行わなければ多額の税負担が発生します。
相続税対策にはいくつかの方法がありますが、不動産の活用によって相続税対策を行うことが可能です。現金で保有する資産を不動産に変え、賃貸運用をすることで相続税を削減することができます。
不動産が相続税対策になる理由

不動産投資が相続税対策になるのは、次の3つの理由によるものです。
- 不動産は現金よりも相続税評価額が低い
- 賃貸に出している不動産は相続税評価額を下げることができる
- 不動産購入時の借入によって相続税評価額が低減される
現金で持っている資産を不動産に変えることで、相続税評価額の算出方法の違いから相続税の負担を減らすことが可能です。また、所有する土地にアパートやマンションなどの賃貸用物件を建てて貸し出すと、さらに相続税評価額を下げることができます。
さらに、借入を利用して不動産を購入することで、相続税評価額の合計を減らすという方法もあります。
不動産は現金より相続税評価額が低い
遺産となる財産には、現金や有価証券、土地、家屋など様々なものがありますが、それぞれ決められた評価方法によって算出された相続税評価額をもとに、相続税の計算が行われます。不動産は現金よりも相続税評価額が低くなるため、不動産の購入は相続税対策として有効です。
現金や預貯金を相続する場合には、額面や残高がそのまま相続税評価額となります。一方、不動産、特に土地を相続する場合は、路線価方式と倍率方式という評価方法があり、相続税評価額は実勢価格の約80%となります。家屋の相続税評価額には固定資産税評価額が用いられ、実勢価格の約70%になります。
たとえば、銀行口座に1億円が預けられていた場合、相続税評価額は1億円となります。これに対して、「土地:6,000万円・建物4,000万円」の不動産を相続したケースでは、相続税評価額の目安は「6,000万円×80%+4,000万円×70%=7,600万円」という計算により、7,600万円程度になることが見込まれます。
賃貸に出している不動産は相続税評価額を下げられる
不動産を賃貸に出している場合は、さらに相続税評価額が下がります。これは、賃貸に出している不動産は所有者が自由に利用することができないためです。
◆貸家建付地:土地に賃貸用物件を建てて貸しているケース
アパートや賃貸マンションなどの賃貸用物件を建てて貸している土地は、貸家建付地として評価されます。自用地とは、他人には使用する権利がなく、所有者自らが自由に利用できる土地のことです。
貸家建付地の評価額:自用地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
◆賃貸用建物
アパートや賃貸マンションなどの賃貸用物件も相続税評価額の減額を受けられます。
賃貸用建物の相続税評価額:固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
借地権割合と借家権割合、賃貸割合は以下の通りです。
借地権割合 | 30%~90%(一般的な住宅地は60%~70%) ※国税庁が定める |
借家権割合 | 一律30% |
賃貸割合 | 賃貸されている専有部分の床面積÷専有部分の床面積の合計 |
先ほどの「土地:6,000万円・建物4,000万円」の不動産を相続したケースで、この建物がアパートである場合を例に挙げてみていきます。借家権割合は60%、賃貸割合は100%(満室)とします。
<土地/実勢価格6,000万円→自用地の場合の相続税評価額4,800万円>
- 借地権割合:60%
- 借家権割合:30%
- 賃貸割合:100%(満室)
- 貸家建付地の価額:4,800万円×(1-60%×30%×100%)=3,969万円
<建物/実勢価格4,000万円→固定資産税評価額2,800万円>
- 借家権割合:30%
- 賃貸割合:100%(満室)
- 賃貸用建物の価額:2,8000万円 ×(1-30%×100%)=1,960万円
不動産購入時の借入で相続税評価額が低減される
不動産を購入する際に金融機関などから借入を行うと、プラスの財産から借入金などのマイナスの財産が控除されるため、相続税をさらに減らすことができます。
例えば、1億円の預貯金を持っている人が、2億円を借り入れて土地を購入し、アパートを建てた場合を考えます。土地とアパートの相続税評価額を1億2000万円、亡くなった時点での借入金の残債が1億9,000万円とすると、以下のようになります。
1億円+1億2000万円-1億9,000万円=3,000万円
このケースでは、相続税評価額を1億円から3,000万円に大幅に削減しています。
ただし、不動産投資には空室リスクや家賃下落リスク、災害リスクなどの様々なリスクがあります。借入には、大きなリスクが伴うことを認識しておくことが大切です。
不動産を活用した相続税対策の具体的な方法

不動産を活用した相続税対策の具体的な方法として、主に次の4つがあります。
- 借入して不動産を購入する
- 所有する土地に賃貸用の物件を建てる
- 法人化する
- 区分マンションを購入する
借入して不動産を購入する方法は、マイナスの財産をつくることでプラスの財産と相殺して相続財産の総額を圧縮できます。所有する土地に賃貸用の物件を建てることで、資産が現金から建物に組み替えられることや、所有する土地が貸家建付地として扱われるため、相続税評価額を下げられます。不動産賃貸事業の法人化は、個人の財産を法人の所有とし、個人の財産を減らす手法です。また、区分マンションの購入は相続税評価額を下げるだけでなく、遺産分割がしやすいというメリットもあります。
借入して不動産を購入する
土地や建物などの不動産を借入して購入すると、マイナスの財産である借入金などの債務はプラスの財産と相殺されるため、相続財産の総額を減らすことができます。さらに、購入した不動産の相続税評価額は、実勢価格に対して、土地は約80%、建物は約70%に抑えられます。
ただし、債務を相続人に引き継がれることになるため、税理士などの専門家に相談し無理のない範囲内での借入を検討しましょう。
所有する土地に賃貸用の物件を建てる
土地を所有している場合、アパートなどの賃貸用の物件を建てることで相続税評価額を下げることができます。
現金として持つ資産をアパートの建設費用に充て、現金から建物に資産を組み替えることで、相続税評価額を減少させることが可能です。金融機関から借入をした場合、相続時に借入金の残債はプラスの財産から相殺されます。
また、賃貸物件が建てられている土地は貸家建付地として扱われ、土地も建物も借地権割合や借家権割合に応じて相続税評価額の減額が適用されます。
さらに、土地が「小規模宅地等の特例」の貸付事業用宅地の要件に該当する場合、相続税の課税価格が50~80%減額されます。
法人化する
不動産を法人の財産として法人化し、法人によって不動産賃貸事業を運営する方法をとると、個人の財産が減るため、節税対策として有効です。法人化にあたっては、非相続人が株主になると、亡くなったときには相続人に株式に対する相続税が発生します。そこで、親から子への資産承継では、非相続人となる子などが出資して株主になる形をとれば、親が亡くなったときに株式の相続が発生しません。また、子に対して役員報酬を支払うことで、財産を生前に移転することが可能です。
ただし、相続人が設立した法人の資金力の問題から、非相続人の財産の法人への売却方法が課題となることがありますが、長期間の分割払いで被相続人に支払うといったスキームがあります。
区分マンションを購入する
相続税対策として、区分マンションを購入するという選択肢もあります。区分マンションの購入は、アパートといった一棟物件よりも管理の手間がかかりません。たとえば子どもが2人いる場合、8000万円のアパートを購入するよりも、4000万円の区分マンションを2室購入した方が分けやすく、遺産分割がしやすいというメリットもあります。
また、区分マンションは土地の持分が少ないため、実勢価格に対して相続税評価額が低くなるというメリットがあります。特に高層階の区分マンションは相続税対策として有利とされていました。しかし、財産評価基本通達の見直しにより、2024年1月以降に発生した相続では、相続税評価額が実勢価格の60%に満たない場合は、補正が行われているため、以前ほどは有利ではなくなっています。
とはいえ、区分マンションによる相続税対策は、今後も効果的な手法です。相続に詳しい会社を選ぶことで、節税対策に適した物件を取得できます。暮らしに関するお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)と連携している会社であれば、相続対策を相談した際にもFPのアドバイスを受けられます。
トーシンパートナーズでは、アルファ・ファイナンシャルプランナーズと連携しています。通常、FPへの相談料は1回1万5,000円ですが、3回まで無料で相談することができます。独立系FPによる中立な立場からのアドバイスや提案を行っています。
不動産を活用した相続税対策の注意点

不動産を活用した相続税対策を行う際には、次の2つの点に注意が必要です。
- 不動産は3年以内に売却しない
- 不動産投資にはランニングコストがかかる
不動産の活用による相続税対策を行った場合、相続税の申告から3年以内に不動産を売却すると、税務調査で相続税逃れの行為とみなされるリスクがあります。また、不動産投資にはランニングコストがかかることを踏まえ、賃貸経営に取り組むことが大切です。
不動産は3年以内に売却しない
相続税対策として不動産を購入した場合は、相続税の申告から3年以内の売却は避けるべきです。税務調査は通常、過去3年間を遡って実施するため、税務調査が入った時点で相続した財産を売却していると、相続税対策のための不動産取得ではないかと疑われることがあります。最低でも、相続税の申告から3年間は、相続した不動産を売却せずに保有しておくようにしましょう。
不動産投資にはランニングコストがかかる
不動産投資にはランニングコストがかかるため、安易に不動産を活用した相続税対策を行うのではなく、収支計画を立てたうえで取り組むことが大切です。不動産投資でランニングコストがかさんだ結果、財産が目減りのすのでは意味がありません。不動産投資によるランニングコストには、固定資産税や都市計画税、委託管理料、火災保険料、修繕費などが含まれます。
また、空室のリスクのほか、借入によって不動産投資を行う際には金利上昇リスクなども考慮し、無理のない賃貸経営ができるかシミュレーションを行うことが大切です。
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まとめ
現金や預貯金よりも不動産で財産を所有している方が、相続税評価額が下がるため、相続税を抑えられます。また、所有する不動産を賃貸に出すことで、さらに相続税評価額を下げることができます。不動産投資にはランニングコストを考慮したうえで、相続税対策として不動産を活用することを検討されてみてはいかがでしょうか。