かつて、文豪「夏目漱石」の生家があり、
漱石の父が自分の姓を名づけて呼んでいたことに由来する 夏目坂。
この近辺は高台であるという好立地から、
古くより武家屋敷が立ち並ぶ閑静な邸宅街でした。
そのような武家屋敷に用いられていた黒塀や黒漆喰を彷彿とさせる
落ち着いた黒を建物のテーマカラーとした「ZOOM新宿夏目坂」
高層棟と低層棟の2棟で構成された建物の 夏目坂通りに面したバルコニーは、
通りへの圧迫感を和らげるために楕円をかたちづくり
アクセントとしてランダムに配された2層分の長さを持つルーバーは
建物内部と通りの喧騒を緩やかに遮断しています。
そして、低層棟へと続きながら、
周辺の住宅地へ溶け込むようにセットバックする建物としました。
夏目坂通りから20mの直線の動線を引き込んでアクセスする
エントランスへのアプローチは、光る19本のゲートを等間隔に配置し、
温かな光のゲートをくぐり抜けることで、
オンタイムからオフタイムへのスイッチができる空間となっています。
エントランスの突き当りに設えた鏡の効果で、
通りを行きかう人々には、どこまでも続く光のゲートが見えることでしょう。