CONCEPTコンセプト
与謝野晶子や太宰治など名だたる文豪由来の地にして、「西の鎌倉、東の荻窪」と称された邸宅地としての歴史を有する荻窪。また、丸ノ内線の始発駅であり、中央線・総武線が通り、数多の商店街で賑わうこの街は、都会の利便と快適が集い華やぎを見せています。確かな歴史を礎に歩みを止めず邁進し、人々を魅了し続けるこの街に「ZOOM荻窪」が誕生しました。
水平に配されたスラブが各層を分節し、建物のボリューム感を均整化した、街並みで一際目を引くファサードデザイン。そのスラブは複雑な建物の形状も包括し、軽快で滑らかな輪郭を創出しながら、ガラス、コンクリートなどの異なったマテリアルの風合いと相まって洗練された外観美を誇っています。
邸内に誘うエントランスホールには白を基調とした壁面とダークカラーの床面が生み出したモノトーンのスタイリッシュな空間に打放コンクリートに刻まれた杉板型枠の木目が柔らかな美しさを添えています。内外の流麗なる美の連なりは、住まう人に洗練された都市型邸宅に暮らす優越と誇りを感じさせてくれることでしょう。
外観完成予想図 ※図面を基に描いたもので実際とは多少異なります。
※掲載の写真はエントランスホールを撮影したものです。画像と一部異なる場合がありますが、現況を優先します。
2023年度グッドデザイン賞受賞
〈審査員評価コメント〉
東京都杉並区、低層の住宅地に床を張り出し、壁面をセットバックさせることで、周辺環境への圧迫感を軽減するデザインや多様な可能性を考えたプランは総合的に優れた計画である。
周辺より計画建物の高さが高いことを認識し、周辺環境への配慮を建物の形状や素材、色、ディテールまで配慮しようと努力しようとする姿勢は重要である。
外壁は打放しコンクリート仕上げとし素材感を活かし、スラブの色は光を反射する白、手すりは光を透過するガラスを使用することで、周辺環境を明るくし軽やかな印象を与えている。
内部のプランは住戸数を効率よく配置するために細長くなる住戸が、その長さを活かす計画としている。
玄関と水回り空間を細長くまとめる構成とし、部屋をきれいな形で確保し、可動間仕切りにより住まい手が寝る場所、働く場所を分けることが可能な優れた提案である。
今後も街や人の生活をより良くしていく姿勢が期待されるところである。
※グッドデザイン賞とは
1957年に公益財団法人日本デザイン振興会によって設立された、かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰する制度。シンボルマークの「Gマーク」と共に人々に親しまれ、ZOOMシリーズも2014年から10年連続、16棟の受賞を果たしています。
※掲載の写真は共用廊下を撮影したものです。画像と一部異なる場合がありますが、現況を優先します。
※掲載の写真は外観を撮影したものです。画像と一部異なる場合がありますが、現況を優先します。